介護保険制度とは? 基礎知識をわかりやすく解説!― 介護保険料・自己負担編 ―
『図解 介護保険のしくみと使い方がわかる本』
こんにちは! 北日本ケアサポートです。
前回は介護サービスが開始されるまでの流れをご紹介しました。
*前回はこちら→介護保険制度とは? 基礎知識をわかりやすく解説! ― 介護保険基本編 ―
今回は介護保険料などの『お金』について、『図解 介護保険のしくみと使い方がわかる本』を基にしながらお伝えしたいと思います。
・介護保険の財源は、どこにある?
介護保険の運用にかかる費用の半分は、被保険者(=介護保険に加入している人)の保険料でまかなわれ、残り半分を国と都道府県、市区町村からの公費(=税金)でまかなわれます。
介護保険は、被保険者の資格を得ると同時に、全員が加入しなければなりません。そして、保険料の納付が義務づけられる強制適用の仕組みがとられています。
被保険者の対象は、第1号被保険者(65歳以上)と第2号保険者(40~64歳の医療保険加入者)です。
【 第1号被保険者 】
対象者は65歳の方。保険料の徴収は市区町村が行い、原則、年金からの天引きです。
第1号被保険者の保険料は3年ごとに見直され、国が定めたガイドラインに基づいて保険料を定めます。
しかし、第1保険者の人数や必要となる保険給付の総額は、市区町村によって異なります。そのため、市区町村は条例により保険料率や段階数を設置できます。
*例えば、令和3年~5年度の札幌市の保険料は13段階ありますが、東京都江東区は16段階です
【 第2号被保険者 】
対象者は40歳~64歳の医療保険加入者。保険料の徴収は、被保険者が加入している医療保険者が医療保険の保険料と一括で徴収します。
徴収された保険料は、社会保険支払基金を経由して市区町村へ交付されます。
*ちなみに、第2号被保険者は、国が定めた特定疾患が原因で要介護・要支援となった場合に限り、介護保険の給付が受けられます
・自己負担額は、所得に応じて異なる
介護サービスを受けると、その費用の一部を自己負担(1~3割)として支払います。
この負担割合は、年金などを合わせた所得に応じて異なります。また、単身世帯か夫婦などの同一世帯かによっても、割合が変わってきます。
自己負担分の支払いは、以下の2通りです。
1:自己負担分の1~3割に当たる費用を、介護サービスを受けた介護事業者へ直接支払う
2:特定福祉用具販売や住居改修などは、利用者が一旦全額を業者へ支払い、市区町村へ請求すると自己負担分を差し引いた額が戻ってくる(=償還払い)
また、自己負担額は、要介護度に応じた区分支給限度額の範囲内で適応されます。
もし、この限度額を超えた介護サービスを利用した場合は、全額自己負担となります。
・要介護度によって、1カ月に使える介護サービスの上限額が決まっている
介護サービスは、1~3割の自己負担額を支払えば、いくらでも使えるわけではありません。
居宅サービスなどは、要介護度によって『区分支給限度額(介護保険から給付される上限額)』が決まっています。
この区分支給限度額は、サービスによって、対象のものと対象外のものがあります。
例えば、訪問リハビリテーションは対象ですが、居宅療養管理指導(=医師・歯科医師・薬剤師などが居宅へ訪問し、療養上の指導や管理を行う)は対象外です。
また、食費や日常生活費などは介護保険が使えず、実費を支払います。
しかし、市町村によっては、オムツ費用の支給や配食サービスなど介護保険の給付対象外のサービスを提供する『市町村特別給付(=横出しサービス)』というものがあります。
*各市町村でサービス内容や給付方法が異なります
さらに、通常の支給限度基準額を増額し、市町村が支給限度額以上のサービス提供する『上乗せサービス』というものもあります。
*こちらも、各市町村によって実施の有無など内容が異なります
・自己負担額の合計(月額)が負担限度額を超えた場合、払い戻しされる
要介護度が上がると、必要な介護サービスもその分増えます。そうなると、当然、自己負担額も増えるため、家計を圧迫します。
そこで自己負担額にも上限を設け、『高額介護サービス費(負担限度額を超えた分を払い戻す)』という制度で、負担を軽減する仕組みがあります。
*令和3年8月利用分から、高額介護サービス費の負担限度額が見直されています。詳しくは、厚生労働省のリーフレットをご確認ください
例:夫婦(同一世帯、年収約770万未満)で介護保険サービスを利用している場合 年収が770万未満の自己負担の上限額(月額)は、44,400円です(令和3年現在) |
ただし、高額介護サービス費を利用するには市区町村への申請が必要です。
また、介護保険施設(介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護療養型医療施設、介護医療院)や短期入所(ショートステイ)を利用する場合も、居住費(滞在費)と食費の一部を補助してもらえる『特定入所者介護サービス費』という制度もあります。
*令和3年8月から、特定入所者介護サービス費の負担限度額が見直されています。詳しくは、厚生労働省のリーフレットをご確認ください
このほかにも、『高額医療・高額介護合算療養費制度(医療保険と介護保険の自己負担分を合算し、基準を超えた分が戻てくる)』や、各自治体独自の自己負担軽減措置もあります。
自己負担額が多くて支払いなどに困ったときは、市区町村の担当窓口やケアマネジャーなどに相談してみましょう。
また、介護保険料を滞納すると、最悪、保険給付が一時差し止めとなり、利用負担額が3割となります。こうなる前に、経済的事情で支払いが困難な場合も、やはり市区町村やケアマネジャーに相談してください。
次回は『図解 介護保険のしくみと使い方がわかる本』の中から、さまざまな介護サービスについて、詳しくご紹介したいと思います。
以上、北日本ケアサポートでした♪
*この記事は2020年8月10日投稿の内容を改変しています
*次回はこちら→介護保険制度とは? 基礎知識をわかりやすく解説! ― 介護サービス編 ―
《 過去の関連記事 》
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・要介護度とは? 区分支給限度額とは?
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