2024年度に就労選択支援が創設されることで、就労系のサービス体系はどう変わる?

 こんにちは! 北日本ケアサポートです。

 現行の障害福祉サービスには、就労継続支援というサービスがあります。これは主に『就労継続支援A型』『就労継続支援B型』『就労移行支援』の障害福祉サービスを指します。
 *関連記事:障害福祉サービス『就労継続支援 A型』『就労継続支援B型』の違いとは?

 2024年度の障害者総合支援法の改定では、これらの就労継続支援に『 就労選択支援 』というサービスが新設されます。
 この就労選択支援は、一体どのようなサービスなのでしょうか?
 厚生労働省の障害福祉サービス等報酬改定検討チームから公表されている「就労選択支援に係る報酬・基準について≪論点等≫」を参考に解説していきます。
*本記事内では「障害」の文字が混在しますが、法令または行政サイトの表記をそのまま使っております

就労選択支援

・就労選択支援とは

 厚生労働省の障害福祉サービス等報酬改定検討チームによると、就労選択支援の目的について以下のように書かれています。

働く力と意欲のある障害者に対して、障害者本人が自分の働き方を考えることをサポート(考える機会の提供含む) するとともに、就労継続支援を利用しながら就労に関する知識や能力が向上した障害者には、本人の希望も重視しながら、就労移行支援の利用や一般就労等への選択の機会を適切に提供する

厚生労働省:就労選択支援に係る報酬・基準について≪論点等≫より

 弊社北日本ケアサポートのグループ会社、NPO法人はなうたは就労継続支援B型を運営しています。
 NPO法人はなうたでは、就労継続支援サービスの利用を希望される方とお話をする際「当事業所で何をしたいのか?」「どんなことができるか?」を中心にヒアリングをします。
 ですが、就労継続支援B型以外のA型や就労移行支援などの利用についてはヒアリングをしていません。これは、ほかの就労継続支援の事業所でも同じではないかと思います。

 本来であれば、相談支援事業所が利用者の適切な就労系のサービスを紹介すべきなのですが、相談員は1人で100人以上の利用者を抱えているという現状があります。
 つまり、相談員の手が回らず、利用者自身でどの就労サービスが良いかを決めているのが現状なのです。

 そこで、専門的なアセスメント(客観的な評価・分析)の提供と利用者本人を中心とした就労選択の支援をできるように、『 就労選択支援 』とういサービスを新設しようと、厚生労働省は考えたようです。

ポイントを指さす

・就労選択支援の具体的な内容

 就労選択支援の具体的なサービス内容はまだ確定されていません。ですが、厚生労働省の障害福祉サービス等報酬改定検討チームが公表した資料によると以下の通りになるようです。

就労アセスメントを作成
→利用者が何をしたいか? 何ができるか? などの作業場面などを活用した状況把握

就労系サービスの情報提供や助言、指導など
→利用者の選択肢の幅を広げ、的確な選択につながるよう、利用者に地域における雇用事例や就労支援に係る社会資源などに関する情報提供、助言・指導など

多機関連携によるケース会議
→就労選択支援事業所以外の地域の関連機関とアセスメント結果を共有し、その後の適切な支援につなげていくための会議

アセスメント結果の作成
→その後の就労支援などに活用するために、アセスメント結果を利用者や家族、関係者などと共有する

事業者や就労支援機関との連絡調整
→就労選択支援利用後の就労支援などにおいて、アセスメント結果が効果的に活用されるよう、雇用支援機関との連携、連絡調整を行う

 就労選択支援は、就労の可否を判断や、どの就労系障害福祉サービスを利用するかの振り分けはしません。あくまでも利用者の選択・決定を支援するサービスという位置付けなのです。

 次に、就労選択支援が新設されるとどのような流れになるのか、現状の就労継続支援B型と比較しながらご紹介します。

就労継続支援B型の現状と就労選択支援との比較
厚生労働省:就労選択支援に係る報酬・基準について≪論点等≫より

 このように、就労継続支援のサービス開始後も、利用者の希望により就労選択支援サービスを受けることができます。そして、就労ニーズや利用者の能力等の変化に応じた再選択が可能です。

・就労選択支援の運営主体はどこ?

 就労選択支援の実施主体について、厚生労働省の就労選択支援に係る報酬・基準について≪論点等≫の資料では以下の例を挙げていました。

就労移行支援事業所、就労継続支援事業所、障害者就業・生活支援センター、自治体設置の就労支援センター、人材開発支援助成金(障害者職業能力開発コース)による障害者職業能力開発訓練事業を行う機関等

 就労選択支援サービスという特性から、障害者就労支援に一定の経験・実績を有し、地域における就労支援に係る社会資源や雇用事例などに関する情報提供が適切にできる事業者が運営主体となるのではないかと思います。

 ここで問題となるのは「就労選択支援サービスの質と中立性をどう確保するのか?」 です。

 実は、就労選択支援を新設する背景には、就労継続支援の利用を通じて本人の就労能力が向上し、一般就労などへの移れる可能性が向上したにもかかわらず、同じ就労継続支援の利用を続けている現状があると指摘されていることも一要因としてあるようです。

 就労選択支援を新設したとしても、中立性が確保されなければ、「本人の希望も重視しながら、就労移行支援の利用や一般就労等への選択の機会を適切に提供する」というサービス本来の目的が達成されません。

 厚生労働省では、就労選択支援について、自法人が運営する就労支援系障害福祉サービスなどへ利用者を誘導しない仕組みや、障害福祉サービス事業者などからの利益収受の禁止などの規定を検討しているようです。

4つの芽


 就労選択支援は、障害者総合支援法と障害者雇用促進法を根拠法としたサービスです。
 新設された法律は令和641日に施行されます。ですが、就労選択支援の施行令和7年10月1日を予定しています。
 *厚生労働省:就労選択支援の創設についての政令事項・省令事項より
 つまり、就労選択支援は令和641日から即始まるサービスではなく、これから具体的な内容を詰めていく段階なのです。

 介護保険における居宅介護支援事業所や障がい福祉の相談事業所「単独での運営が難しい」と以前から言われています。
 現状は、自法人が運営するサービスを紹介することで経営がなんとか成り立っている事業所も少なくありません。
 中立・公平な立場で利用者の目線に立ち、適切なサービスの支援を目的として法改正をするのであれば、就労選択支援事業所や相談事業所だけで成り立つ単位数を設定すべきだと思うのです。

 弊社のグループ会社、NPO法人はなうたでも、決まったルールの中で採算が合うように運営しなければなりません。
 そのためには算定のルールを知り、法改正による変更に対応していかなければいけないのです。
 そして、弊社北日本ケアサポート障がい福祉サービスの国保連への請求代行を行う会社です。
 もちろん算定の変更にも対応して、お仕事をさせていただいております。新たな制度改定を機に、国保連への請求代行を検討してはいかがでしょうか?
 国保連への請求代行以外にも、事務コンサルティングなど、事業の成長を幅広くサポートしております。お気軽にお問い合わせください。

 今後も、介護や障がい福祉の運営に関する有益な情報を積極的にご紹介していきます。ぜひ、弊社北日本ケアサポートのブログ『介護・障がい福祉ビジネス及び請求業務お役立ち情報』をお気に入り登録していただければと思います。

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*過去記事
どう運営する? 就労継続支援B型の集客や黒字化の超現実的な戦略とは
令和6年度改正の障害者総合支援法 放課後等デイサービスは何が変わる?


《 記事原案者 》
鷲尾 和巳鷲尾 和巳(わしお かずみ) → 代表ご挨拶
北日本ケアサポート 株式会社 代表取締役 / 特定非営利活動法人 はなうた 理事長 / 一般社団法人 日本介護協会 理事 / 介護事務管理士 資格保持者
 
《 記事加筆編集者 》
北日本ケアサポートスタッフ北日本ケアサポートスタッフ:A
介護事務管理士 資格保持者