令和6年度の介護保険制度で新たに新設される『 複合型サービス(訪問介護と通所介護の組合せ) 』の概要について解説

 こんにちは! 北日本ケアサポートです。

 令和6年度介護報酬改定に向けて、厚生労働省の社会保険審議会からさまざまな資料が出てきています。その中から今回は『複合型サービス(訪問介護と通所介護の組合せ)』について202311月現在に公表されている情報を基に解説いたします。

介護保険制度改定

 

・複合型サービス(訪問介護と通所介護の組合せ) とは?

 その名の通り、1つの事業所で訪問介護と通所介護の両方を提供でき、利用者にとって柔軟で切れ目のないサービスが受けられる地域密着型サービスの1です。

 もともと、地域密着型サービスには『 複合型サービス(看護小規模多機能型居宅介護) 』があります。
 従来の複合型サービスは訪問看護と小規模多機能型居宅介護の組合せを指しますが、そこに訪問介護と通所介護の組合せが新たに加わる、といったイメージでしょうか

 現在、訪問介護・通所介護ともに利用者のニーズが増えています。しかし介護職員の深刻な人手不足により、利用者は必要なサービスが十分に受けられない状況です。
 また、居宅介護支援事務所における訪問系と通所系のサービスを併用している利用者の具体的なサービスのうち、最も多い組合せが「訪問介護と通所介護」であるというデータも出ています。

訪問系サービスと通所系サービスの組合せ
*参考資料:厚生労働省:社会保険審議会「複合型サービス(訪問介護と通所介護の組合せ)

 このような背景も、厚生労働省が「訪問介護と通所介護の複合型サービスを新設の必要性がある」と考えた要因の1つかもしれません。

・複合型サービス(訪問介護と通所介護の組合せ)のメリット

 実は、コロナ禍における特例として、通所介護事業所による訪問サービスの提供を行っていました。そこから見えてきた『 複合型サービス(訪問介護と通所介護の組合せ) 』における事業所と利用者のメリットをご紹介します。

事業所のメリット

介護職員の人材不足を補える・人材を有効活用できる
急なキャンセルなどのサービス変更があった場合、柔軟に対応できる
情報を一元化できるため、利用者の状態を正確に把握し、自立支援・重度化防止につなげられる
個人のスキルアップなどの職員からの働き方に関する希望に応じられる

 訪問系サービスと通所系サービスを併用している場合、従来から利用者の情報共有について課題がありました。
 訪問系サービスでは「情報共有の質と量の個人差が大きい」傾向があり、通所系サービスでは「利用者のニーズを把握してからケアプランに反映させるまでのタイムラグがある」傾向にあったようです。
 この課題も、ひとつの事業所でサービスを提供すれば解消されていくのではないでしょうか。

利用者のメリット

訪問サービスと通所サービスを通じて、切れ目のないケアを受けられる
通所で明らかになった利用者の課題を訪問でフォローするなど、より質の高いサービスが受けられる
キャンセル時にサービスの内容を切り替えるなど、状態の変化に応じた柔軟なサービスが受けられる
日常の様子を見ている職員が訪問するため、利用者の状態の変化にいち早く気づきやすい
これまで関わりのある職員が訪問するため、利用者や家族に安心感が生まれる

 通所介護は利用者と接する時間が長いため、利用者の性格やニーズを把握しやすいサービスです。
 訪問介護は利用者と部分的な関りになってしまうため、通所介護で把握した情報はより良いサービスを提供するうえで必要です。
 これらを同じ事業所で同一の介護職員が行えば、より質の高いサービスを利用者へ提供できます。

ピンクのチェック

 

・複合型サービス(訪問介護と通所介護の組合せ)の懸念点

 厚生労働省の介護給付費分科会には、複合型サービス(訪問介護と通所介護の組合せ)への懸念が意見として上がっています。
 さまざまな意見を抜粋して要約すると、以下のような内容でした。

・介護保険制度は複雑であると指摘されているにもかかわらず、新たなサービスや制度をつくることで、より複雑になるためメリットが少ないのでは?

・ホームヘルパー2級や介護福祉士の資格を有さない職員の訪問の是非について、どう考えるのか?

 北日本ケアサポートには、訪問介護事業所に勤めていたスタッフがおります。
 そのスタッフによると、訪問介護は利用者の自宅にある食材で調理、掃除や洗濯などの家事のスキルを必要とします。また、入浴介助は利用者の自宅にある浴室の状況などを考慮して支援を行います。
 このような専門的な技術を身につけるのは容易ではないため「通所介護の職員が訪問介護と同じサービスが提供できるかの懸念がある」と話していました。


・複合型サービス(訪問介護と通所介護の組合せ)の介護報酬

 令和5116日の社会保険審議会の資料によると『 複合型サービス(訪問介護と通所介護の組合せ) 』の基本報酬は、要介護度別の月額の包括払いとなるようです。
 その基本報酬に加え、事業所の取組や体制に対する加算や減算が加わるイメージです。

 以下は、支払い方式が変更になった場合の新たな複合型サービスと従来の訪問介護・通所介護のメリット・デメリットを比較した表です。

複合型サービス(訪問介護と通所介護の組合せ)の介護報酬メリット・デメリット
*参考資料:厚生労働省:社会保険審議会「複合型サービス(訪問介護と通所介護の組合せ)

 新たな介護サービスにも従来の介護サービスにも、当然、利用者と介護事業所の双方にメリットとデメリットがあります。
 表の内容は厚生労働省が想定した主なものですが、実際に複合型サービス(訪問介護と通所介護の組合せ)運用が始まると上記以外にもメリット・デメリットが出てくるかもしれません。

高齢者の手を包む介護職員の手

 

 いかがでしたか? 複合型サービス(訪問介護と通所介護の組合せ)に関して、厚生労働省の社会保険審議会から論点と対応案が出ています。
 介護事業所が気になるであろう、人事基準や設備基準、運営基準についても書かれています。
 訪問介護や通所介護のサービスを提供している事業所は、一度目を通しておくと良いかもしれません。

 介護保険法と介護報酬の改定は、3年に1度のペースで行われます。
 3年ごとに大きな改定があり、事務所スタッフが通常の業務を行いながら、制度の変更に対応する。これは、とても大変な作業だと思います。
 弊社北日本ケアサポートは、介護保険(=介護報酬)の国保連への請求代行を行う会社です。
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《 記事原案者 》
鷲尾 和巳鷲尾 和巳(わしお かずみ) → 代表ご挨拶
北日本ケアサポート 株式会社 代表取締役 / 特定非営利活動法人 はなうた 理事長 / 一般社団法人 日本介護協会 理事 / 介護事務管理士 資格保持者
 
《 記事加筆編集者 》
北日本ケアサポートスタッフ北日本ケアサポートスタッフ:A
介護事務管理士 資格保持者