就労継続支援とは? A型とB型の障害福祉サービスの違いについて解説

 こんにちは! 北日本ケアサポートです。

 街中で『 就労継続支援A型 』や『 就労継続支援B型 』と書かれた事業所を見かけることがあると思います。
 皆さんは、この『 就労継続支援 』が、どのような障害福祉サービスかご存じでしょうか?

 今回は、就労継続支援の基本的な内容に加え、『 就労継続支援A型 』『 就労継続支援B型 』の違いについて、お伝えしたいと思います。

就労継続支援

・就労継続支援とは?

 就労継続支援は、一般企業などで働くことが困難な方に対し、就労の機会を提供するとともに、能力などの向上のために必要な訓練を提供するサービスです。

 厚生労働省が定める障害福祉サービスは、介護の支援を受ける『 介護給付 』、訓練などの支援を受ける『 訓練等給付 』に大きく分類されます。
 さらに、訓練等給付には、居住支援系や訓練系、就労系の支援の障害福祉サービスがあります。
 そして、就労系の障害福祉サービス『 就労移行支援 』『 就労継続支援A型 』『 就労継続支援B型 』『 就労定着支援 』4つに分類されるのです。
   *厚生労働省:障害福祉サービスの概要参照

 就労継続支援は上記の通りA型・B型の2種類があります。これらの大きな違いは、雇用契約の有無です。

就労継続支援A利用者が事業所と雇用契約を結び利用する
就労継続支援B利用者が事業所と雇用契約を結ばずに利用する

 では、この就労継続支援A型とB型について、さらに詳しく説明していきます。

・就労継続支援A型とB型の違いは?

就労継続支援A型(2023年3月現在)

《 利用対象者 》
 原則18歳以上65歳未満であり、雇用契約に基づき、継続的に就労することが可能な方。
 具体的には、次のような例が挙げられます。

特別支援学校を卒業して就職活動を行ったが、雇用に結びつかなかった方
就労移行支援事業所などの利用で就職活動をおこなったが、雇用に結びつかなかった方

企業での就労経験があるが、離職を経て現在は働いていない方

※自治体によっては対象条件などが異なる場合があります。

《 雇用形態・賃金 》
 利用者は事業所と雇用契約を結ぶため、一般就労と変わらず、最低賃金額以上の賃金が保障されています。ただし、一般就労とは異なり、就労継続支援A型では1日の勤務時間が短いことが特徴です。

《 仕事内容(具体例)
 ・パソコンでのデータ入力
 ・飲食店のホールスタッフ
 ・インターネットオークション作業 など……

就労継続支援B型(2023年3月現在)

《 利用対象者 》
 年齢制限はありませんが、就労の機会等を通じ、生産活動にかかる知識および能力の向上や維持が期待される方。
 具体的には、次のような例が挙げられます。

企業での就労経験はあるが、年齢や体力面で一般企業に雇用されることが困難となった方
50歳に達している方、または障害基礎年金1級受給者

①②に該当せず、就労移行支援事業者などの利用で、アセスメントにより就労面の課題が把握されている方

障害者支援施設に入所する方で、指定特定相談支援事業者によるサービス等利用計画案の作成の手続きを経た上で、市町村により利用の組み合わせの必要が認められた方

※自治体によっては対象条件などが異なる場合があります。

 なお、就労継続支援B型は、特別支援学校などを卒業してからすぐに利用はできません。

《 利用形態・工賃 》
 利用者は事業所と雇用契約を結びません。そのため利用者に対する報酬は、就労継続支援A型のような賃金ではなく、「工賃」として支払われます。
 また、雇用契約を結んでいないため、法律で保障された最低賃金制度の適用対象外です。このことから、最低賃金額より工賃額が下回ることが多いと言われています。

《 訓練内容 》
 就労継続支援B型は、障がいや体調にあわせ、利用者のペースで働けることが特徴です。
 また、一般就労や就労継続支援A型事業所へ移行するために必要なスキルの習得が可能です。

  訓練の具体例としては
  ・ビーズアクセサリー作り
  ・シール貼り
  ・簡単なパソコン作業
  ・清掃業務 など
 各事業所によって、特色のある訓練を取り入れています。

 このように、就労継続支援A型とB型は雇用契約の有無により、支払われる賃金・工賃に違いがあります。また、利用者の対象年齢も違いますね。
 イメージとしては、A就労がメインB訓練・リハビリがメインと考えると、両者の違いが分かりやすいかと思います。

利用料の疑問

・就労継続支援の利用料は?

 利用者が働いているのに……と少々不思議な感じもしますが、就労継続支援は障害福祉サービスであるため、前年度の世帯所得と利用者の利用日数によって、利用者の自己負担が発生する場合があります。
 利用料は原則1割負担です。利用者が負担する上限月額は、世帯の収入状況により下記のようになります(2023年3月現在) 就労継続支援A型もB型も同じ条件です。

世帯の収入状況負担上限月額
 生活保護受給世帯0円
 市町村民税非課税世帯 *10円
 市町村民税課税世帯(所得割16万円未満) *2
※入所施設利用者(20歳以上)、グループホーム利用者を除きます*3
9,300円
 上記以外37,200円

*1:3人世帯で障害者基礎年金1級受給の場合、収入がおおむね300万円以下の世帯が対象
*2:収入がおおむね600万円以下の世帯が対象
*3:入所施設利用者(20歳以上)、グループホーム利用者は、市町村民税課税世帯の場合、負担上限月額が37,200円となる


 就労継続支援A型と就労継続支援B型は似たような障害福祉サービス名ですが、そのサービス内容は異なるとお分かりいただけましたでしょうか?

 どちらの就労継続支援にも言えることですが、一般企業や団体での就労を目指すことが基本的なコンセプトです。
 事業所はその目的を忘れず、利用者の目線に立ち、利用者が就労に必要なスキルや知識を身につけられるサービスを提供する必要があります。

 障がい福祉サービス事業所を運営するという観点からも、利用者のニーズに加え、今、世の中が必要としている仕事は何か? その中で利用者ができる仕事は何か? を考え、実行することも必要なのではないでしょうか?
 そうすることで、他事業所よりも特化した障がい福祉サービス事業所となり、利用者の増加につながると思うのです。

デスク風景

 さて……何度かお伝えしているように、就労継続支援は障害福祉サービスです。ということは、事業所は国保連への請求業務を行う必要があります。

 弊社北日本ケアサポートは、国保連への請求事務代行というサービスを提供する企業です。
 保険内の実績入力から国保連への伝送・負担上限額管理、各種提供サービスの指定申請における書類作成など、障がい福祉サービス事業所のサポートを行っています。

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《 記事原案者 》
鷲尾 和巳鷲尾 和巳(わしお かずみ) → 代表ご挨拶
北日本ケアサポート 株式会社 代表取締役 / 特定非営利活動法人 はなうた 理事長 / 一般社団法人 日本介護協会 理事 / 介護事務管理士 資格保持者

《 記事加筆編集者 》
北日本ケアサポートスタッフ北日本ケアサポートスタッフ:A
介護事務管理士 資格保持者