初めての人でも見やすい!わかりやすい!『図解 介護保険のしくみと使い方がわかる本』

介護保険制度

 

・介護保険をよく知らない人との橋渡しをしてくれる本

介護保険の請求業務に携わるまで、お恥ずかしながら、私は介護保険をよく知りませんでした。
介護保険と聞くと、毎月の給料から介護保険料が天引きされ、将来、利用できる保険。ただ漠然と、そう認識している方は少なくないと思います。
そして、いざ、利用したいと思っても「何から始めればよいか、わからない。そもそも、自分の状況で利用できるのだろうか?」と疑問と不安の山に埋もれてしまいそうです。

また、介護保険の知識が豊富にある場合、知らない方へ介護保険をわかりやすく説明することは、なかなか大変ではありませんか?

『図解 介護保険のしくみと使い方がわかる本』は、はじめての方に対して介護保険の基礎知識をわかりやすく説明しています。

介護保険との橋渡しをしてくれる本、私が読みながら抱いた第一印象です。

・難しさを感じさせないかわいい挿絵、わかりやすい図解

見た目はとても大事です()
ただでさえ、難しいイメージがある介護保険。文字ばかりが並んでいる本だと、私はそっと本を閉じます……。
ですが、かわいい挿絵が目に入ると「これはわかりやすいかも。もう少し読んでみようかな」と、私なら思ってしまいます。

そもそも、介護保険を知りたいと思う時は、どんな時なのでしょう?
疑問(男女)

私のように、お仕事で介護保険と関わりがあり、基礎知識を学びたいという場合もあります。ですが、大抵は、ご本人やご家族が介護保険を利用したいと考える時ではないでしょうか。

おそらく『図解 介護保険のしくみと使い方がわかる本』を手に取る方は、年齢層が高めなのではないかと思います (ちなみに、介護保険のサービスを受けられる方は65歳以上の方、または国が定める特定疾病にかかっている40歳から64歳の方です)

70代の義母は、電話の請求書などを見ては「小さな文字ばかりでよく見えないし、難しい言葉ばかりで何を書いているのか、さっぱりわからない……」と、よくため息をついています。
どんなに大切な内容でも、読み手が諦めてしまいそうな書きかたでは、まったく意味がありません。

難しい内容であればあるほど、その見やすさ、わかりやすさはかなり重要です。
そういった点からも『図解 介護保険のしくみと使い方がわかる本』は、ひとつのテーマを図解付きの見開きで説明されており、読み手のことをよく考えて書かれています。

・介護保険のしくみがしっかり書かれている

本の冒頭、介護保険が利用出来る事例をいくつか挙げています。
介護保険をよく知らない方からすれば、こんなことでも介護サービスを受けられるの?と思うような事例です。
その後、介護保険の利用するために何から始めればよいか、どんな流れで介護サービスが始まるのか順を追って解説されています。

そして、やはり気になるのは金銭面についてです。
医療保険と同じように、介護サービスの費用の一部は自己負担となります。それはどのように決まるのか、もし自己負担金が支払えなくなったら?なども詳しく書かれています。

また、自宅で介護サービスを受けたい、施設に暮らしながら介護サービスを受けたいなど、人によってさまざまな要望があるはずです。
自宅や施設で受けられる介護サービスの種類や特徴も詳しく解説されており、サービスにかかる費用や加算なども書かれています。
ただし、介護サービスの費用や加算については何円ではなく、何単位です。この部分については、私のように介護関係のお仕事に携わっていないと、理解はなかなか難しいのではないかと思いました。

・介護サービスの利用を考えるときに、まず初めに読みたい本

私の伯母はつい最近、末期のすい臓がんと宣告されました。伯母は生活保護を受け、一人暮らし。伯母の息子は遠方に住んでおり、伯母のお世話ができません。
今、伯母は自宅で普通に生活をしていますが、掃除や買い物が出来ず、ホームヘルパーさんの助けを借りています。そして、遠くない将来、伯母は徐々にたくさんの方の助けを借りて生活していくことになります。

人は誰しもが老い、体の自由が利かなくなっていきます。そうなる前に、まだ元気なうちに、自分がどういった介護サービスを受けたいのかを考えながら、この本を読んで学び、最後まで満足する生活を送ってほしいと切に思いました。