認知星人じーじ!? 介護の実践日誌から学ぶ 認知症の方との接し方、関わり方
『認知星人じーじ「楽しむ介護」実践日誌』

 こんにちは! 北日本ケアサポートです。

 今回ご紹介する『認知星人じーじ「楽しむ介護」実践日誌』は、著者の黒川さんのお父様がアルツハイマー型認知症と診断されて以降の日常をSNSに投稿し、それを書籍として出版された本です。

 厚生労働省によると、2020年現在、日本における65歳以上の認知症の数は約600万人と推計され、2025年には約700万人(高齢者の約5人に1人)が認知症になると予測されています。
 認知症は、誰でも(65歳未満の方でも)なりえるものです。しかし『認知症』という言葉と意味を何となく理解していても「実情を知っているか?」と問われれば、答えは「No」と言わざるを得ないのが現実だと思います。

 

認知星人じーじと地球防衛軍の誕生

 認知症の方は、常に怒っていたり、常に周りが理解できない話をしていたりするわけではありません。ですが、理解できない言動のスイッチがいつ入るか分からない家族は、認知症の方に振り回され、イライラが募ります。
「認知症の人の言うことを否定してはいけません」という言葉は耳にするけれど、365日一緒にいる家族はお釈迦様にでも変身しないかぎり、到底できることではない、と黒川さんは書いています。

 そこで、黒川さんがお父様の様子を観察してみると、理解できない行動や言動の前に、一点をじっと見据えていることを発見したそうです。
 黒川さんには、お父様のその姿が「どこか遠い星と交信しているように見えた」とのこと。
 それ以来、認知症の周辺症状が現れると、お父様が「認知星人に変身した」と思うことにしたそうです。

 一見すると、認知症の方を愚弄するのか! とお𠮟りを受けそうですが、そうではありません。
 黒川さんは、介護現場のスタッフが心がけている「パーソン・センタード・ケア(その人の視点や立場に立ったケア)をご存じでした。
 そこで、認知星人に変身したお父様が笑顔で過ごせるよう、黒川さんご自身も「じーじを笑顔にする地球防衛軍」に変身することにしたのです。
 これは、お父様が最期まで笑って天国へ行けるよう、認知症の行動を受け止め、笑い飛ばすと決めた行動の表れでした。

杖を持つ手

家族全員が共通認識を持つ

 介護者、特にご家族は、「転倒して骨折したらどうしよう」「風邪をひいて肺炎になったらどうしよう」と、今起こっていない未来の心配もしながら、日々の介護をしているかと思います。
 黒川さんも同様で、お父様を心配するあまり、その行動を制限するような発言をしていたそうです。
 それを見かねた黒川さんの娘さんが「もし(転んで)入院しても、ママのせいじゃないよ」と黒川さんに言い、そこで気が付いたそうです。

 お父様に何かあって入院することは、認知症状が加速することを意味します。それだけではなく、黒川さんの言葉を引用すると、家族にとっても付き添い等『メンドクサイ』ことが起きます。
 つまり、認知症の方に対する行動制限の発言は、これら『メンドクサイ』を避けたいがため、と黒川さんは思い至ったそうです。

 そこで、黒川さんはご家族と話し合い、「何があっても主たる介護者(この場合、黒川さん)のせいにはしない」と決めます。
 この取り決めにより黒川さんは気が楽になったそうで、「危ない」「ダメ」を連発する必要がなくなりました。
 そして、お父様も「俺に死ねと言うのかあ~」の捨て台詞を言わなくなったそうです。

 黒川さんは、本の中でこう書いています。

『自分がしたいことを止められることは、死ぬくらいの苦痛なのかもしれない』

 そして、どんなに危険を排除しても転ぶときは転ぶし、体調の管理を徹底しても肺炎を起こすときは起こすのだ、というようなことも書いてあり、私も「確かにその通りかも」と思いました。

電球!マーク

よく観察し、発想を転換する

 黒川さんのお父様は、アルツハイマー型認知症(脳神経が変性して脳の一部が萎縮していく過程でおきる認知症)す。この症状はもの忘れで発症することが多く、ゆっくりと進行していきます。

『認知星人じーじ「楽しむ介護」実践日誌』を読んでいると、黒川さんとお父様のやり取りが面白いだけではありません。黒川さんは発想転換の天才だな……と思うことが多々ありました。
 黒川さんとお父様との日々には、認知症の方との接し方や関わり方のヒントがたくさん書かれているのです。

 例えば……

トイレに行くたびに、失禁していないきれいなリハパンを「取り換える」というお父様。
それに対し「取り換えなくても大丈夫だよ」と言うと、お父様は怒りだしてしまいます。
取り換えた事実を忘れるのが認知症。
それならば、リハパンに「朝取り換えたよ」と書くのはどうだろう? と試してみると、効果てきめん。
お父様は、トイレでリハパンに書いてある文字を読んで納得し、何も言わなくなったそうです。

 ちょっとした気づきから、考え方やものの見方の角度を変え、状況に合わせて工夫することで、お互いが不快にならずに穏やかな生活が送れます。
 これは認知症の方との生活だけではなく、私たちの生活でも言えることだと思いました。

 

 黒川さんは「在宅介護は介護保険のサービスなくしては成り立たない」と書いています。
 なぜなら、日中や緊急時にお父様を預かってくれるところがなければ、黒川さんもお仕事が出来ず、生活がままならなくなるからです。

 私たち北日本ケアサポートは、その介護保険サービスの請求代行を行っている会社です。
 ご利用者様と直接的に関わることはありませんが、介護現場の方々がご利用者様の介護に専念できるよう、本業以外の業務を専門として行います。
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 以上、北日本ケアサポートでした♪
  *この記事は、2020年11月12日投稿の内容を改変しています

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