アルツハイマー型認知症は、2025年には認知症高齢者の5人に1人(約700万人)になると厚生労働省の研究班によって推定されているそうです。
このことより介護は私たちの身近なものになりつつあります。

『認知星人じーじ「楽しむ介護」実践日誌』はタイトル通り、アルツハイマー型認知症と診断されたご家族の介護生活の話です。
このご家族は、一緒に暮らすお父さんと施設で暮らすお母さんの二人ともが認知症と診断されました。
それは、ご家族にとってこれ以上のない驚きだったと思います。

楽しみながらの介護生活
認知症在宅介護をするために、簡単そうで簡単ではないお約束があるそうです。

「認知症対策5原則→否定しない。叱らない。無視しない。嘲笑しない。バカにしない。」

一般家庭でもこのお約束を実践することは難しいかと思います。

しかし、本に書かれているご家族はこのお約束を意識して実践されていて、私にはなかなかできないことだと思いました。
認知症の方を介護しながらの生活は、大変なことだと思います。

私は、おじいさんが認知症だということをいったん忘れて素直に読み進めてみました。
もともと理系(計算が早くて正確)+弁が立つ+几帳面+頑固者+ビールが大好きなおじいさんは、話の規模がとにかく大きいです。
なおかつ、突っ込みどころも多すぎるおじいさんです。面白い言動がたくさんあります。

ここで、おじいさんの爆笑エピソードをいくつかご紹介します。


『デイサービスの缶コーヒーは1本4万』

デイサービスの利用日に「缶コーヒー1本4万円するから、今日は2本飲みたいから8万準備しといて!」と言ったりするそうです。
おじいさんの缶コーヒー価格が高級すぎて、笑ってしまいました。


『寒い日のお洋服』

「今日は寒いから、セーター着る?」と提案したら、「ヒーターなんて着れるわけないじゃないか!変なことばかり言うな」とご立腹してしまう日もあります。
セーターとヒーターを聞き間違えてしまったのですね。確かにヒーターを着ることはできないですよね。


『ドラ焼きはハンバーガー』

夕食後にドラ焼きを食べた時、「最近のハンバーガーは小さくなったな。しかもあんこが入っているのか!」と言いながら、美味しそうに食べるそうです。
これは「ハンバーガーではなくドラ焼きだよ!」と説明しても、ドラ焼きのことを最新のハンバーガーだと思いながら食べるそうです。

見た目は少し似ているかもしれないけど、ドラ焼きは主食ではないですよ。おやつですよ!と言ってしまいそうになります。

 

この他にも、庭に池のような水たまりを作ったり、物置に隠しておいたお酒をこっそり飲んで楽しんだりと、困った行動をすることもあります。
でも、おじいさんは決してご家族を困らせるつもりで行っているわけではないようです。

 また、ご家族のみなさんが、「介護生活をするうえのお約束」をいつも以上に意識しておじいさんと接すればするほど、おじいさんは時々すごく怒ってしまう事があるようです。そんな時は大好きなビールを献上すると、おじいさんは満面の笑みになり何事もなかったかのように元に戻ってくれるそうです。

ほかにもおじいさんが落ち込んだ時にもビールを献上すると、再び元気になります。ビールはご家族のピンチを何かと助けてくれる救世主のような存在なのかもしれないですね。

 この本には、とっても魅力的なおじいさんとそのご家族の話がたくさん盛り込まれています。今、認知症のご家族を介護している方もそうではない方にも、ぜひこの本を読んでほしいです。

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