アンガーマネジメントとは? 介護や障がい福祉でも使えるテクニック No.2
『保育者のためのアンガーマネジメント入門:-感情をコントロールする基本スキル23』

 こんにちは! 北日本ケアサポートです。

 前回は、アンガーマネジメントのスキルを学ぶスタートである「怒りとは何か?」についてご紹介しました。
 *前回はこちら→アンガーマネジメントとは? 介護や障がい福祉でも使えるテクニック No.1
 今回は『保育者のためのアンガーマネジメント入門:-感情をコントロールする基本スキル23』の中から、怒りをコントロールする基本スキルをいくつかご紹介したいと思います。

本と花

怒る衝動のコントロール

 児童発達支援、放課後等デイサービスなどの障がい福祉や、介護、医療で働く方々は特に、きっとご自身なりの怒りのコントロールを常日頃心がけていると思います。
 とはいえ、腹立たしい出来事が不意に起こったとき、冷静に対応できるかと言えば、なかなか難しいですよね。

 そこでよく言われるのが「怒りのピークである6秒間を何とかやり過ごす」ことです。
 この時間が過ぎると感情が落ち着いてくるそうですが、感情が高ぶっているときに、6秒をただ耐えるのは、かなりつらい……。

 そこで、私は考えました!
 6秒間をやり過ごすために、あらかじめ6秒で言える好きな言葉」を用意してはどうか? と。

 この記事を書くにあたり、6秒とは実際どのくらいの長さかを調べてみました。
 ストップウォッチで計れば一目瞭然。思っていた以上に6秒は長いです💦
 そして、単純に6文字をゆっくり言っても、6秒には達しません。

 いろいろと試した結果、1112文字ほどをゆっくり区切るように言えば6秒に届く!(……はず)
 ということで、例えば1112文字になるように、好きな俳優やお気に入りのアイドルの名前を入れて「〇〇が大好き!」なんて心の中で叫ぶと、6秒はあっという間かも!?

 もし、そんな文章思いつかないよ……という場合、魔法の言葉をお教えしたいと思います。

「き・た・に・ほ・ん・け・あ・さ・ぽ・お・と」

 これに気づいたとき、私は何らかの運命を感じました……()
 心の中で叫ばず、本当に叫んでいただいても弊社は構いませんよ?(๑¯∇¯๑) ✧

応援する女性

怒る思考のコントロール

 ①の6秒間をやり過ごした後にすべきは、怒りの出来事に対し「怒る」「怒らない」の仕分けを行うことだそうです。

 アンガーマネジメントでは後悔しない怒り方を目指すため、「怒る」「怒らない」の境界線を明確にする必要があるとのことです。
 同じ出来事でも、その時々の感情で怒ったり怒らなかったりをされたら、保育対象であるお子さんや介護の利用者さんはもちろん、職場の同僚からの信頼が壊れるのは明らかですよね。

 そこで、怒るかどうかの境界線を決めるために、下記のような仕分け・整理を行います。

 「アングリーボックス」→ どんなことがあってもこれは譲れないこと
 「スマイリーボックス」→「ま、いいか」と思える許容範囲内のこと

 本では、この仕分けをした際に実践したい3つの努力が書かれていました。

 1)スマイリーボックスに入れる事柄を増やす
 2)アングリーボックスに入れた事柄の情報を相手に伝える
 3)同じ出来事について2つのボックスを行ったり来たりさせない

 例えば……
 アングリーボックスに「あいさつはすべき」を入れます。あいさつは、社会生活を送るために大切なコミュニケーションだからです。
 もしお子さんがあいさつをしなかった場合、「あいさつは、あなたのことを気づいているよ、と相手に知らせる大切な言葉だよ」と、理由を告げて注意すると良いと思います。
 *あいさつの大切さは『褒め方でやる気が変わる?心理学に基づいた褒めるテクニック No.2』という記事でご紹介しています。ご興味があれば、ぜひご一読ください♪

 では「持ち物に記名すべき」は、どちらに入れましょう? どんなことがあっても譲れないことですか?
 親御さんが忙しさのあまり、持ち物の記名をつい忘れてしまうことだってありますよね。そう考えると「仕方がないか……」という出来事として、スマイリーボックスに入れても良さそうです。

怒る行動のコントロール

 本によると、②を行った次は「怒る」と決めた出来事に対して、どう行動するのかを仕分ける作業をするそうです。
 怒ると決めたのに、さらに仕分け? と不思議に思いますが、読み進めると納得します。

 怒りの出来事には「変えられる・コントロール可能」なものと「変えられない・コントロール不可能」なものがある、とのことです。
 「変えられる・コントロール可能」な出来事であれば、その怒りを相手に伝える必要があります
 この本では、伝わりやすい3つのポイントが書かれてありました。

 1)いつ怒るのか
 2)どの程度なら許せるのか
 3)どうやって伝えるのか

 本では、上記のポイントが具体的な事例を交えて詳しく解説されています。
 これらのポイントでカギとなるのは、2)どの程度なら許せるのか だそうです。
 現状できていないことに対して大きな課題を与えても、相手はクリアできません。そこで、小さなことでの成功体験を積み重ねられるよう、どの程度までOKにするかは柔軟に対応し、OKとNGの境界線を具体的に伝えることも必要、と書かれていました。

 では「変えられない・コントロール不可能」な出来事は、どうすればよいのでしょうか?
 答えは簡単。怒らない、です。
 アンガーマネジメントは、怒らないことではないと書いていたじゃないか! と聞こえてきそうです……。私も、本を読んでそう思いました。
 少し語弊がある言葉の使い方ですが、本を読み進めるとこの答えに納得ができます。

 解決不可能な出来事に怒ってしまうと、いつまでもその怒りにとらわれてしまいます。
 そのため、解決は不可能と判断したら、その事柄に関する怒りを放棄し、自分がイライラしない対処方法を考えることに切り替えるのです。これが、この本が示す「怒らない」の意味です。

選択(積み木)

『保育者のためのアンガーマネジメント入門:-感情をコントロールする基本スキル23』では、お子さんや保護者の方などとのかかわりで起きる事例を挙げながら、アンガーマネジメントのさまざまなスキルが書かれています。気になる方はぜひ読んでみてください。

 さて次回は、自分自身の怒りのコントロールではなく、他者の「怒り」との向き合い方について、ご紹介したいと思います。

 以上、北日本ケアサポートでした♪

*次回はこちら→アンガーマネジメントとは? 介護や障がい福祉でも使えるテクニック No.3

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