辞める動機を作らせない! 介護現場におけるトップが行うマネジメントとは?
 『「人が辞めない」介護現場のしくみの作り方』

 こんにちは! 北日本ケアサポートです。

 前回は、介護現場で優秀な人材の離職率が高いのはなぜか? についてご紹介しました。
  *前回はこちら→辞める動機を作らせない! 介護現場におけるトップが行うマネジメントとは? No.1
 今回は人が辞めない介護現場の環境や魅力づくりを、『「人が辞めない」介護現場のしくみの作り方』の中からご紹介したいと思います。

 
 かつて介護保険制度が導入される前は、介護施設を利用しようにも、利用者に選択権がない状況でした。しかし現在は、施設側が利用者側から選ばれる時代へと変わっています。
 そこで事業所のトップの方々は、利用者本位の認識を持たなければ、最悪、介護施設の淘汰される側になってしまいます。

 言い換えると、利用者に選ばれる施設となれば、施設・介護職員・利用者すべてにとって、プラスとなるのです。
 そのためには、施設長や介護リーダーは、何としても優秀な人材の育成と離職率低下を目指さなければなりません。

変化は好機

介護現場の働きやすい環境の作り方を考える

1)介護の「個別ケア」を進める

 『個別ケア』とは以下のようなことです。

1人の介護職員が担当する1人の利用者と介護のさまざまなシーンを共有して、生活を共にすること(『「人が辞めない」介護現場のしくみの作り方』引用)

 人材が不足している介護現場では、非効率な介護に思われるかもしれません。
 しかしこの個別ケアは、1人の介護職員が限られた時間の中で、さまざまな介護を一貫して行えます。そして、集団処遇(大勢の利用者に対し、ランダムに近い形で介護職員が対応すること)のように、1日に十数人の入浴介助を行うようなことはありません。

 書籍によると、実は個別ケアのほうが、介護職員の介護負担を大幅に軽減できるそうです。

 ただし、個別ケアに欠かせないのが『チームケア』という存在です。

チームケアとは、介護の基本的な支援計画に基づいて、関わる全職員が同質のケアを維持するチームプレー(『「人が辞めない」介護現場のしくみの作り方』引用)

 このチームケアにより、担当者が日々交代しても、その利用者にとって必要なケアの内容や介護の在り方などはチーム内で周知・継承されているため、介護の質の維持が可能なのです。

 この個別ケアにより、1日にかかわる利用者が数名程度となるため、介護職員にも余裕が生まれます。加えて、介護職員は特定の利用者とのかかわりが濃厚となり、利用者本位のケアが行えます。
 また個別ケアは、介護職員の役割と責任、活動の結果が明確にわかるため、モチベーションのアップにもつながります。

スキルアップ2)中長期的なキャリアアップ・プランを制定する

 これからの介護事業所で必須といえるのが、新人職員に対するキャリアを形成するための支援です。
 自分の将来の展望が見えない職場では、仕事に対するモチベーションの維持は難しいのではないでしょうか?

 キャリアアップ・プランは、以下のようなものを網羅している必要があるそうです。

  1:介護技術
  2:コミュニケーション技術
  3:計画作成技術
  4:相談援助技術

 これら4項目について、1年後の達成目標から3年後、5年後とも達成の時期も、同時に明示しておきます。
 そして介護事業所は、介護職員がそれぞれの時期で目標を達成できているかを評価します。
 介護職員のモチベーションを上げる要素として、キャリアを認定したり、給与を変動したりするのも良いかもしれません。


 また、キャリアアップ・プランとは別に、新人のための育成プランの整備も必須だそうです。
 書籍では、入職から最低1年間は、プリセプター制度(先輩が現場での指導役として、新人をマンツーマンで教える制度)導入を推奨していました。

 プリセプター制度の利点は、以下のようなものになります。

1日の活動と結果を記録することで、新人(プリセプティ)日々の振り返りができる

先輩(プリセプター)、新人の活動記録を基に適切な評価とアドバイスを与えられる
新人は、活動記録の積み重ねによって自分の成長を実感でき、職場と良好な帰属意識が生まれる

先輩は、新人を指導することで、あらためて介護の基本に立ち返る機会を得る

 誰かに何かを教える場合、根本的な基礎や道理が分からなければ、教わる側の「なぜ?」に明確には答えられません。
 私も、新人教育に数多く携わった経験があります。その際、私が今まで考えもしなかった質問を、新人からされることがあります。こういった経験は、先輩としても新たな成長につながりますよね。

ビジネスマンの背中とグラフ

施設長・介護リーダーがすべき仕事は「経営の健全化」

1)人件費の抑制は不健全経営を招く

 介護事業は、国によって「介護報酬額」が明確に規定されているため、企業努力による収入の増加が見込みづらいのが現状です。
 収入増が簡単に見込めない場合、経営者が考えることは経費の削減です。
 そこで介護事業所は、経費で大きなウエイトを占める人件費の抑制を考えてしまうのです。

 企業の利益を分析する際、人件費率(売上高のうち、どのくらいの金額を人件費で占めているかの指標)は、重要なデータの1つです。
 しかし、人件費率が低い=健全な経営、とは言えません。
 なぜなら、不適切な人件費の抑制は、生産性やサービスの質を落とし、結果的に売上総利益(粗利益)が下がる可能性があるからです。

 介護事業所でいえば、人件費を抑制することで優秀な介護職員が離職し、サービスの質の低下を招き、利用者が減少します。それにより、介護事業所の粗利益が低下してしまう……という悪循環が生まれるわけです。


 書籍によれば、施設長・介護リーダーが行うべきは「人材配置の見直し」をし、いかに人材を有効活用するか、に意識を転換することだそうです。
 これは私見ですが……、新人を独り立ちするまで育成するは、時間と労力などのコストがかかります。離職率が高い職場は、これらのコストを湯水のごとく垂れ流しているに等しいと思うのです。

2)健全経営の大きな要素は、事務費のコントロール

 人材不足の介護施設では、人材派遣会社を利用している施設があると思います。
 書籍によると、事務費が大きく膨らんでいる施設の財務諸表では「業務委託費」名目の人材紹介料が際立っているそうです。
 下手をすると、介護施設の利益が上がっても、この人材紹介料に吸い取られてしまう可能性があるのです。

 そこで、人件費を60%台にコントロールし、事務費を10%内、事業費を15%内に抑えるよう管理できれば、金融機関への借入金を返済しても、5%の当期収支差額(純利益)が残るそうです。
 このことからも、やはり、人材不足にならないような介護現場の環境づくりは必須といえますね。

クローバーと建物

 このほかにも、能力や実績がストレートに評価される職場づくり、ハラスメントなどの対応力の強化等々、書籍には、施設長・介護リーダーが行うべき具体的な介護マネジメントが数多く書かれています。
 書籍全体を通し一貫して主張していることは、「人が辞めない」介護現場は、施設長や介護リーダーが積極的に作り出すもの、という点です。

 しかし、施設長や介護リーダーも、介護報酬請求等の雑務に追われ、本来やるべき仕事ができない、という悩みを抱えている場合があります。
 今回ご紹介した『「人が辞めない」介護現場のしくみの作り方』の書籍では、介護職員の負担軽減のために、清掃や洗濯などのサポート業務を外部業者に委託するケースが多くなっている、と書かれていました。

 弊社、北日本ケアサポートは、サポート業務の中でも介護事業所が行う『保険請求』の代行を行っております。
 保険請求の代行以外にも、手間と感じている事務作業など、クライアント様のご要望に応じることも可能です。

 時間は有限あり、介護事業所の人材も限られています。
 施設長や介護リーダーが介護現場へ目を向けられるよう、ぜひ、業務委託をご検討されてはいかがでしょうか?

 北日本ケアサポートへのお問合せ → お問合せ窓口

 以上、北日本ケアサポートでした♪
 *この記事は2021年1月25日28日投稿の内容を改変しています

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