強み・専門性をしっかり訴え、地域に事業が定着してくると、おのずと口コミが生まれます。

専門性を特化する

USPとは

マーケティング用語に「USP」があります。
これはユニーク・セリング・プロポジションの略で、自社に付加価値を付け、差別化を図る-つまり他社と比較して自社の強みを明確にする、ということです。
介護事業においても、このUSPの構築を目指すと良いでしょう。

USPの構築とはどういうこと?

USPが認知されると「口コミ」の発生が期待できます。

例えば、「沖縄のビールといえば、オリオンビール。
オリオンビールといえば、沖縄ビール」というように、自社のサービス等の名前が一人歩きします。

これは介護事業でも同様です。
ただし、介護事業の場合は、商圏が広いわけではありません。
サービス提供エリア内でのUSPの認知を狙えばいいので、他業種に比べると難しいことではありません。

つまり、自社の○○に当てはまるものを構築することが大切です。
介護事業では、ある特定の地域で構わないので、「認知症ケアといえば△△事業所。△△事業所といえば認知症ケアに特化している」というように、地域のニーズと自社の強みをプッシュアップして、○○の部分を構築することです。

利用者と介護職員の利益を考えてみる

ただし、特徴づけるだけではUSPは十分ではありません。
そこに必要なことが「ベネフィット(顧客が受けとる具体的な利益)」です。
USPは、このベネフィットから構築することが
最善です。

介護事業は全国で同一単位、同一の運営基準ですので、「人材獲得・育成事業」ともいえます。
顧客は利用者だけでなく、介護職と考えることが必要なのです。
「自社を利用した場合に、その利用者が受け取る具体的な利益とは?」と同じくらい「自社に勤めたときに、その介護職員が受け取る具体的な利益は?」ということを考える必要があります。

ベネフィットを構築する際には三つの手順があります。

①顧客はどのような問題を抱えているかを考える:顧客が悩んでいる課題等をピックアップする

②ビリーフを否定する:ビリーフとは思いこみや信じ込み、業界の通説などのこと

③顧客を明確にする:どのような人が自社に適しているか、社風に合うか?どのような人がサービスを必要としているのか?を考える

以上3点を明らかにし、はっきりした顧客像、職員像を作ることで、発信の仕方、サービスの構築がしやすくなります。