認知症関連事業では何が変わりましたか?
認知症施策総合推進戦略が策定されました。
これまで日本は、認知症施策普及・相談・支援事業、認知症医療・介護連携の枠組み構築のためのモデル事業、都道府県認知症施策推進事業、若年性認知症施策総合推進事業などの認知症対策事業を様々な事業枠で行ってきました。これらを統合して2017年に打ち出されたのが、「認知症施策推進総合戦略=新オレンジプラン」です。新オレンジプランでは認知症の対策として、対策の普及・啓発、適時適切な医療・介護の提供、若年性認知症施策の強化、認知症介護者への支援、高齢者にやさしい地域づくり、予防・診断・治療法やリハビリ・介護モデルなどの研究開発と成果の普及、患者や家族の視点重視という方針を打ち出しています。
初期集中支援チームと地域支援推進員が支援します。
認知症になっても本人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で暮らし続けられるようにするため、市町村レベルで配置されるのが、認知症初期集中支援チームです。
認知症初期集中支援チームは、保健師、看護師、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士といった複数の専門職員が家族の訴えなどを受けて、認知症が疑われる人や認知症の人、またその家族のもとに訪問し、アセスメントの上で初期の支援を実施します(おおむね6か月)。また認知症地域支援推進員は、初期集中支援チームと連携して、地域の実情に応じて、医療・介護資源をアレンジし、専門的な相談に乗ります。
市町村の権限は強化されましたか?
居宅介護支援の指定権限が移譲され、権限が増えました。
2018年4月から居宅介護支援の指定権限が市町村に移譲されました。これにより市町村には、居宅介護支援事業所の監査・指導だけでなく、勧告・命令・指定取り消しや効力停止の権限が加わります。運営基準についても、市町村の条例で定めることが可能です(1年間の猶予期間あり)。
また市町村には、毛マネジャー個人に対する指導権限も与えられています。業務報告を求めたり、介護保険法に違反しているときに指示や研修命令を出したり、指示・命令に従わないときに業務禁止を命令できたりするのです。ただし、指示や命令を出す際には、1年以内の実行猶予期限を設定することになります。
指定拒否権限の対象が増え、公募制も導入されています。
そもそも、市町村や都道府県は一定の条件を満たせば(指定拒否の条件)、指定権限を有する施設・居住系サービスについて、指定拒否の権限を有しています。また都道府県が市町村と協議したうえで施設・居住系サービスの指定を拒否したり条件を付与したりすることは、市町村協議制と呼ばれています。
2018年度以降、小規模多機能型居宅介護普及の観点から、この指定拒否権限の対象に地域密着型通所介護が、市町村協議制の対象に居宅サービスが加わりました。また定期巡回・随時対応サービスは、市町村の判断で公募による選考で事業者を指定できる公募制が導入されています。