一定以上所得者の負担では何が変わりましたか?

サービス利用にあたり3割を自己負担することになりました。

 2015年度改正に引き続き、2018年度の制度改正でも一定以上所得者についてサービス利用の自己負担分が引き上げられました。

 3割負担となるのは、合計所得金額(給与収入や事業所得などから給与所得控除や必要経費を控除した額)が単身世帯なら「年金収入+その他合計所得金額=340万円以上」の人、二人以上世帯なら「年金収入+その他合計所得金額=463万円以上」の人となります。ただし、4064歳の第2号被保険者は、所得にかかわらず1割負担です。この制度は、20188月から施行されています。なお、厚生労働省の計算では、3割負担は12万人程度(全体の約3%)となっています。

 

高額介護サービス費なども見直されています。

 自己負担額の合計金額が一定額を超えたときに、超えた分が戻ってくる高額介護サービス費と高額介護合算療養費についても、上限額が見直されました。

 高額介護サービス費については、これまで世帯内に課税所得145万円以上の被保険者がいて、世帯収入520万円以上(単身世帯の場合は383万円以上)に設定されていた「自己負担限度額(月額)=44,440円」が、2017年8月から市町村民税世帯非課税者以外の利用者に適用されるようになりました(3年間の時限措置あり)。ただし、1割負担者のみの世帯については年間上限額が設定されています。同様に、高額介護合算療養費の上限も2段階で引き上げられます。

 

集合住宅と通所のサービスでは何が変わりましたか?

集合住宅居住者向け訪問系サービスの報酬が減っています。

 これまで主に居住系施設(養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホームなど)に適応されていた、集合住宅居住者に対する各種訪問系サービスの介護報酬の減算が、一般の集合住宅にも適用されるようになりました(10%減残、定期巡回・随時対応型訪問介護の場合は600単位減算)。特に、事業所と同一敷地内または隣接する敷地内に所在する建物に居住する利用者50人以上に対してサービスを提供する場合、減算幅は15%です(定期巡回・随時対応型訪問介護の場合は900単位減算)。ただし、区分支給限度基準額に基づいてケアプランを作成するときは、利用者間の公平性担保のため、減算前の点数で計算されます。

 

通所サービスでは提供時間区分が変更されています。

 通所介護と通所リハビリテーションについては、サービスの提供時間区分が変更されました。これまで通所介護については3時間以上、通所リハビリテーションについては4時間以上で2時間単位で設定されていた提供時間が、「7時間以上8時間未満」というように1時間単位で設定されるようになったのです。

 今回の改正では、利用者の自立や重度化防止の観点から、リハビリテーションによる自立支援に重点が置かれています。そのため、同じ時間、同等規模の事業所で提供した場合の通所介護と通所リハビリテーションの差がつけられました。また、地域密着型のように小規模事業所におけるサービスの介護報酬が引き上げられています。