制度改正のリスクとは

新規に介護事業を開業して、やっと軌道に乗ってホッと一息ついた途端に制度改正が行われて、今までのやり方が通じなくなる、もしくは介護報酬が大幅に改定されて経営のやり方自体を軌道修正する必要に迫られるということもあります。介護保険の行政では、これまでも多くの制度改正が行われ、その度に介護事業所は経営計画の修正を迫られました。この制度改正は介護事業にとって非常に大きなリスクであると言えます。

 

最初の15

2000年に介護保険法が施行された時は、必要な介護事業所数が足りないことから、営利法人が許認可を受けることのできる制度となりました。また新規の許認可の基準を下げて参入障壁を低く設定しました。

 その結果として、介護事業所数は最初の15年間で急増しました。その顕著な例は、一般事業の許認可における基準である預金残高や自己資本比率といった「財産基準が無い」事です。これによって、新規に会社を設立した場合や赤字続きで大きな欠損を持つ会社も、何の問題もなく許認可がおります。赤字であっても更新がなされます。これは他の許認可事業では考えられないことです。

 

これからの10

2015年の介護報酬改定では、基本報酬は4.48%のマイナスとなり、多くの事業所は効率的な経営に転換する必要に迫られました。特に小規模の事業所への影響は大きく、業界再編が加速しました。

 2018年の介護改定では、0.54%のプラスでしたが、微増で、今後はさらに「質の低い」介護事業者は収入を増やす事が困難になる一方で、「質の高い」事業者は、加算などを算定して収入を増やす手段の幅が広がります。

 自由経済の市場原理である「自然淘汰」が進み、業界の再編が起こります。これからの10年は、まさにこの業界再編の時期となります。これは当然の事であり今までが特別であったと言えます。

 介護報酬制度の傾向として、加算の算定率が一定以上となると加算から基本報酬に包括するという改定もしばしば行われます。この場合では、それまで加算を算定していない事業所も加算の算定基準をクリアしなければならず、その対応を迫られます。

 このように加算を算定することは、役所の求める基準に答えることであり、次の制度改正の事前準備であると言えます。制度改正を常に前向きに考え、柔軟な組織作りを。

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