介護事業独立への第一歩は、「訪問介護」で決まり!
こんにちは! 北日本ケアサポートです。
介護事業で独立を考えている方は、「自分が思う介護をしたい」「仲間と一緒に会社をやりたい」「いつかは経営者になりたい」など、さまざまな気持ちを持っているのではないでしょうか。
ですが、いざ介護事業所を立ち上げようとすると、スタッフは何人必要なのか? 資金はどれくらい必要なのか? 売り上げはいくら程立つのか? と、わからない事だらけですよね。
現在7つの訪問介護事業所を経営している私は、介護事業独立への第一歩としては「訪問介護」が最適である、と考えています。
実際、私は最初に訪問介護の開業から始めました。その後に、放課後等デイサービス、就労支援、訪問看護、居宅介護支援事業所の順番で事業展開しています。
訪問介護事業所を、介護事業独立の第一歩として、勧めるのはなぜか? それはズバリ『金』と『人』です。それは、どういう理由からか?
まずは『人』について、Q&A方式で詳しくお伝えしていこうと思います。
質問「訪問介護の開業は、何人居ればできますか?」
回答「2.5人です」
この2.5人は、常勤が2人・非常勤が1人という意味です。
もっとわかりやすく説明すると、フルタイムが2人・パートタイマーが1人と言うことです。つまり、社長ご自身を1人としてカウントした場合、フルタイム1人、パートタイマー1人を採用すれば開業が可能です。
ちなみに「フルタイムは社員ですか?」と尋ねられることがあります。
介護保険の人数要件において、雇用形態を問われることはありません。そのため、アルバイトスタッフが2.5人だとしても、問題はありません。
ただ、2.5人で開業した場合、1人でも退職してしまうと事業が継続できなくなります。
そういった事態にならないよう、社員2人・パートタイマー2人で始めることが多いです。
安定した運用を考えると、パートタイマーは1人ではなく、2人採用して開業することをお勧めいたします。
質問「訪問介護の開業に、資格要件はありますか?」
回答「全員が初任者研修(ヘルパー2級以上)を取得する必要があります。また、サービス提供責任者となる人は、実務者研修や介護福祉士等の資格が必要です」
実際一番多い形は、介護福祉士1人、初任者研修修了者3人という配置でしょう。
サービスを提供するスタッフ全員が有資格者でなければならないところが、訪問介護の開業の難関かもしれません。
特定施設などの施設サービスですと、無資格や未経験でも出来る仕事があります。
しかし訪問介護は利用者と1対1の仕事となるため、無資格では仕事ができません。
訪問介護事業は「資格がなければ、サービスを提供できない」と覚えておいてください。
質問「最初は、どのように採用すれば良いですか?」
回答「まずは、知り合いの方の採用をお勧めします」
知り合いですと、採用経費というものが掛かりません。
これはリファラル採用(リファラルリクルーティング)といわれ、企業にマッチした人材を採用できる率が高く、定着率も高い採用方法です。
思うようなタイミングで採用できないのが介護業界です。
採用する人間が決まらないと、当然ながら開業ができません。そう考えると、独立の前に、開業の話に乗ってくれる人を探しておいた方がよいでしょう。
ですが、入社予定の人が突然辞退したなどで、新たに人材を探す場合、採用の広告を出すことになります。弊社が採用広告を出す優先順位は、以下のような順です。
1:ハローワーク
2:インディード等のクリック課金型ネット広告
3:紙面とネットが一体化した媒体
4:人材紹介会社
では、それぞれの特徴を説明します。
《 ハローワーク 》
ハローワークは、施設内に設置されている端末のほか、ハローワークのネットサービスにでも広く公開されます。ネットの1日のアクセス数は、約40万件(令和元年度末)とのことです。
ハローワークの求人掲載費用は0円です。
応募者が増えるよう、分かりやすさや魅力のある求人票をしっかり作り込み、ハローワークへ掲載しましょう。求人条件はいつでも見直しができますし、ハローワークが求人条件の見直しなどの相談にも乗ってくれます。
ハローワークは、思いの外、求人の紹介がきます。
《 インディード等のクリック課金型ネット広告 》
多少の費用は掛かりますが、他の媒体に比べて安価です。
また、求職者がクリックした数に応じて広告費を支払う形態なので、費用の無駄が少ないのが利点です。ただし、即効性はあまりないように思われます。そのため、早急に採用したい場合には不向きかもしれません。
しばらく掲載していると、求職者からポツポツと連絡が入ります。
《 紙面とネットが一体化した媒体 》
この媒体が、一番即効性があると思います。
ただし、紙面やネット広告の大きさに比例して金額が変わります。また、紙面を見て電話連絡をする求職者は、わりと高齢の方が多いように感じます。
現在、介護業界ではI C T化を進めている最中です。パソコンやタブレット端末の操作等、ICTに対応できない方は、戦力になりづらい可能性があります。
《 人材紹介会社 》
弊社でも、人材紹介会社を通じて、何人もの人材を採用しております。
注意する点は、紹介料でしょう。
人材紹介会社では、紹介料が年収の30%という会社はいっぱいあります。例えば、20万円×12カ月=240万円 で採用する場合、人材紹介会社へは72万円を紹介料として支払います。
これだけの紹介料を払っても、採用した人が定着してくれるとは限りません。そのため、紹介料が年収の30%というのは、かなりのリスキーと言えるでしょう。
弊社は、人材紹介会社に支払う紹介料は『年収の10%以下』と決めています。この条件でも、取引してくれるところが何社かはありますので、探してみてください。
介護は、スタッフ集めがキモです。サービスの提供を希望する利用者さんはいても、スタッフが都合よく集まらない業種だからです。
そのなかでも、資格が必要であることなどから、訪問介護の求人が難しいとされています。
ですが冒頭でもお伝えしたように、介護事業独立への第一歩としては「訪問介護」が最適である、と私は考えています。それは、最低開業人数が2.5人で済むことと、それに伴い人件費が安く済むからです。
訪問介護を開業するときもそうですが、そこからさらに発展させるには、スタッフを計画的に採用できるかにかかっています。
そのためには、他社との差別化を図る会社のブランディングやデザイン、見せ方なども最初から考えておく必要があります。
私が代表を勤めているNPO法人では、この1年でスタッフ数が倍ぐらいになりました。HPをぜひともご覧ください。他社との違いを感じるはずです。
特定非営利活動法人はなうた→こちら
また、許認可の相談や介護事務のご相談は、北日本ケアサポートで承ります。
私自身、開業当時も今も、初任者研修等の資格は持っておりません。今このブログを見ていただいている方よりも、当時は知識がなかったと思います。
ですが、自身の覚悟と周りの協力があれば、私のように複数の介護事業所の経営も夢ではありません。介護事業での独立を迷っている方には、ぜひチャレンジしてほしいと願っております。
私のブログを見て「介護事業を立ち上げました」というお言葉が聞けるよう、精一杯お手伝い出来ればと思っております。
次回は、訪問介護のお金に関する話をお伝えいたします。楽しみにしていてください。
*次回はこちら → 介護事業で独立を考えている方必見! 7つの事業所を経営している実体験を伝授します No.2