『あの介護施設はなぜ、地域一番人気になったのか!!』

介護施設(外観)

 期間が少し開いてしまいましたが、『あの介護施設はなぜ、地域一番人気になったのか!!』の第3弾をご紹介したいと思います。  
 前回は、利用者のニーズを感じ取り、それに合わせて進化していく施設をご紹介いたしました。
  *前回はこちら→あの介護施設はなぜ、地域一番人気になったのか!! No.2

 介護施設は、利用者に選んでもらえるよう、創意工夫をしていかなければならない時代に入りつつあります。
 しかし、それ以上に求職者に選ばれる事業所となる必要があります。なぜなら、少子高齢化社会である今、どの業界も人材の確保は急務だからです。
 こうした時代の流れの中で、『人財()』に重点を置く施設を『あの介護施設はなぜ、地域一番人気になったのか!!』の中からご紹介したいと思います。

・スタッフを主役にする介護施設

 最初にご紹介するのは、チャンス・チャレンジ・チェンジを掲げる法人です。

 介護業界では、人材不足の解決策の1つとして、外国の方の活躍が期待されています。
 この法人は、EPA(経済連携協定)が開始された際に、EPA介護士第1期の外国人受け入れ施設として名乗りをあげました。 

 外国人介護士の育成が容易でないことは、介護現場を知らない私でも想像がつきます。
 すぐに思い浮かぶのは、言葉の問題です。
 日本語は平仮名のほか、カナと漢字の3種類の文字が存在します。これは世界でも珍しく、日本語は難易度が高い言語とされています。それに加え、介護の専門用語まで覚えなければならない……。これだけでも、相当高いハードルであることが分かります。
 さらに、忙しい介護現場で外国の方の指導に当たることも、教える側・教わる側ともに、とてつもない労力を必要とするはずです。

 しかし、この法人は外国人介護士の育成をチャンスと捉え、状況に合わせてさまざまなチェンジ(見直しや改革)をした結果、EPAで来日した外国の方が、介護福祉士国家試験に合格したのです。
 当時、日本全国の合格者が47人しかいませんでした。そのうちの1人だというのですから、これがどれほどの快挙か、お分かりになると思います。 

 この法人は、EPA介護士だけではなく、社会福祉法人ではあまり例のないクリニックの開設にチャレンジするなど、さまざまな取り組みをしています。
 このように、チャンス→チャレンジ→チェンジを繰り返しながら、新たなことに挑戦し続ける姿勢は、すばらしいと感じました。

手を取る介護士

 次にご紹介するのは、日本の介護サービスを世界へ届ける企業です。

 福祉が充実している国といえば、スウェーデンやデンマークなどの北欧諸国を思い浮かべます。
 しかし、タイや中国などアジア諸国では、それらの国以上に注目しているのが、日本の介護であると、この本には書かれていました。
 編著者の齋藤さんによると、仏教圏であるアジア諸国と日本は、北欧諸国よりも考え方や習慣などが似通っているからではないか、と考えています。

 そういった時代の流れの中で、この企業はタイのバンコクに現地法人を設立しました。
 現地のタイ人に日本式の介護を教育し、中流階級以上の高齢者向けの訪問介護等のサービスを提供。その結果、人材確保が追いつかないほどにニーズが高まっているそうです。
 その後、介護保険制度のない中国で小規模多機能施設や終身型大規模施設を開設し、そのどちらも中国政府から高い評価を受けているそうです。 

 そして今、日本の介護業界は人材を外国の方に求めようとしている状況です。
 海外で事業展開をしているこの企業は、アジア圏で養成した人材を日本で活躍させるよう、準備を整えつつあるそうです。

 このように、常に先の先を考え、果敢にチャレンジしていくこの企業は、日本の将来をどのように捉えているのだろうかと、読んでいてとても興味が湧きました。

・介護事業は、視野を広げ、着目する視点を変えれば多くの可能性がある

 この本をご紹介した冒頭に『介護という職業の一般的なイメージは、重労働、つらい、大変など、ネガティブなものが多い気がします』と書きました。
 しかしこの本によると、現実の介護サービスの仕事は業務範囲も広く、創意工夫できる領域が広いため、やりがいがあり、利用者からも必要とされていると書かれています。
 私もこの本を読み進めるうちに、介護事業は着目する点を広げれば、たくさんの可能性があるように感じました。

 これは介護業界に限った話ではない、と私は考えます。
 日々の業務の中で感じた疑問や違和感をおざなりにせず、視点を変えて考えれば、新たな『成長の芽』が見えてくるはずです。
 そしてそれは、もしかしたら、新たなビジネスチャンスを見出す可能性につながるかもしれません。

空と手の影

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