『あの介護施設はなぜ、地域一番人気になったのか!!』

介護施設(外観)

 前回、時代とともに介護業界も変化し続けなければならない、と書きました。
   前回→https://northjapan-caresupport.com/news/1827/
『あの介護施設はなぜ、地域一番人気になったのか!!』では、2つのテーマに分けて17の企業を紹介しています。
 今回はテーマの1つ、ニーズに合わせて利用者の満足を実現させる企業をご紹介したいと思います。

・利用者が、自分のニーズに合わせて介護施設を選ぶ時代

 もし私が介護施設を選ぶとしたら、高級リゾートやカフェのようなおしゃれなところを候補として考えます。逆に、病院を感じさせる施設や建物の内装が古いところは、候補から外してしまうと思います。

 今や、介護施設は「利用できるだけありがたい」ではなく、利用者が自分のニーズに合わせて『選ぶ』時代です。
 本で紹介されている施設は、どの施設も介護施設の固定概念を覆しているように思いました。

 

 例えば、言葉の不自由な方を対象としたデイサービスを行っている施設。

 脳梗塞などが原因による後遺症で、読み書きや聞く、話すなどの言語能力に障害が出てしまう方は、通常のデイサービスでは周囲とのコミュニケーションが大変困難です。
 話しても伝わらない、分かってもらえないという状況は、言葉の分からない海外へポンと放り込まれるような失望感と孤独感を生み出します。

 本に紹介されていた施設は、言葉の不自由な方と問題のない方が同じ施設にいることは、言葉の不自由な方にとって幸せなのだろうか?といった疑問から、言葉の不自由な方を対象としたデイサービスを開設したのだそうです。

 こちらの施設では言語訓練の一環として、人前での「成果発表」があります。
 このとき、言葉の不自由な自分の話を理解しようと、施設の仲間たちが熱心に耳を傾けてくれるそうです。
 成果発表は単なる訓練の一環にとどまらず、「舞台」を用意することで、自分の存在意義を見出せる取り組みなのです。
 周囲の環境が自分を受け入れてくれれば、言葉が不自由だという失望や孤独が薄らぎ、自分自身だけではなく同じ悩みを抱える方をも大切にできるのだと思いました。

仲間(影)

 

 もう一つご紹介する施設は、定員330人という巨大なデイサービスセンターです。

 本によると、一般的なデイサービスの定員は3040人というので、その巨大さがよくわかると思います。
 このデイサービスセンターは、単に定員が多いというだけではなく、利用できるサービスや施設も多種多様だそうです。リハビリゾーンはもちろん、カフェ、シニア用のトレーニングジム、カラオケやマージャンルーム等々……。
 これらの豊富な選択肢から、その日の活動を利用者自身が決めて取り組みます。

 この巨大デイサービスセンターを混乱なく運用するために、さまざまな工夫があります。その中で大きな役割を果たしているのが、施設独自で開発したシステムです。
 このシステムにより、スタッフは利用者の予定と現在の状況を適時確認ができます。また、一定期間の利用状況を集計・分析し、利用者の好みや課題を把握も可能です。これにより、偏りが見受けられる利用者に、バランスのよいトレーニングの提案をすることもできます。
 また、施設内に現金を持ち込めたり、夕方から夜にかけて利用されない施設のスペースを中高生の勉強のために提供したり……と、一般のデイサービスではあまり見られない取り組みも行っています。
 このほかにも、介護の域を超えたさまざまなサービスがあり、とても視野の広い施設だと思いました。

クローバーと建物

 これら二つの施設以外も、多様な施設を本の中では紹介しています。
 どの施設も『当たり前』を当たり前と思わず、果敢に挑戦している施設のように感じました。
 そして『利用者』を一括りに扱わず、『個々』に目を向けて、彼らの希望や気持ちに応えるにはどうしたらよいのか?を考え、進化し続ける施設であると思います。

 次回は、もう1つのテーマである、スタッフを主役にする企業をご紹介したいと思います。

 

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