『老人ホームに恋してる。』
芸術系の大学を卒業後に老人ホームへ就職。
未経験業種(介護)の世界で日々奮闘しながら働く女の子の話です。
老人ホームにも何種類かあります。
この本に出てくるのは特別養護老人ホームです。
限られた職員で、お年寄りのお世話(食事・トイレ・入浴・就寝中の見回りなど)や
事務仕事もして、不規則な勤務時間も相まって、
心身ともに休まる暇がいつあるのかな・・・と
介護の仕事に対するイメージはとにかく大変でキツイ仕事。
このイメージは読み終わっても変わりないです。
でも、介護の仕事は常に大変でキツイわけではないんだなとも思いました。
今までそんなことを思うことは一度もありませんでした。
お年寄りとの何気ない会話に笑わされたり、
職員の仕事の一部を入所のお年寄りたちが、
「自分らに任せて!」と嫌な顔せずに手伝ってくれたりしていました。
本を読みながら結婚して初めて義家族に
誕生日祝いをしてもらった時のことを思い出しました。
義祖母「いくつになったの?」
自分 「23歳だよ!」
義祖母「あらー、つい最近産まれたばっかり。まだ赤ちゃんだね!」
自分 「(大正生まれのばーちゃんだからな・・・)・・・。そうだねー。」
大した話ではないけれど、義実家に行っても
特に義祖母と話する共通のネタもない自分には、
とっても記憶に残っていることの一つでした。
この本には、友達とお喋りする楽しさとは
違った楽しさが次々と出てくるということもあり、
読み出したら止まらなくなる本です。
読書が得意ではない人でも大変読みやすいです。
漫画になっているところもたくさんあります。
イラストも親しみやすいタッチになっています。
自分もいつか老人ホームに入る日が来ると思います。
この本に出てくるお年寄りみたいな、
お世話を一生懸命にしてくれる職員に感謝し、
その感謝を表現できるおばあちゃんになりたいと思えました。