【介護保険制度の基礎知識】要介護・要支援を決める要介護認定は、どのような仕組みで決まるのかを解説
こんにちは! 北日本ケアサポートです。
弊社は、介護事業所や障がい福祉事業所の介護報酬(介護レセプト)の請求事務を代行する会社です。
要介護認定は、これから介護を受けようと思う方にとって重要な関心ごとですよね。
ですが、弊社は個人のお客様のご依頼はお受けしかねるため、介護事業所側の視点で解説していきます。
*この内容は令和6年度現在のものです。法改正等によりサービスの統廃合・内容変更の可能性があります
・要介護認定の必要性
要介護認定は、これから介護サービスを利用する被保険者が「 どの程度の介護が必要か 」を保険者が把握することを目的としています。
介護保険料や公費は限りがあります。それらを最大限に有効活用し、必要な人に適切な介護サービスをまんべんなく提供するには区分けが必要です。
そのため、認定の調査を行い、審査を経て、要介護度を決定します。
ちなみに……この要介護認定は介護サービスの給付額に結びつくため、その基準は全国一律に客観的に定められています。
・要介護認定の流れ
以下に、大まかな流れを説明します。
1:要介護認定の申請 | |
申請場所 | 市区町村の窓口 |
申請人 | ・介護サービスの利用を希望する本人 ・代理人(家族、指定居宅介護支援事業者、介護保険施設、地域包括センターなど) |
*代理人が申請する場合、委任状や代理人の身元が確認できるものが必要です |
2:認定調査・主治医意見書
市区町村の調査員が家庭や施設を訪問し、心身の状態などについて聞き取り調査を実施します。そして、その結果を認定調査票にまとめます。
また、市区町村が申請書に記載された主治医に意見書の作成を依頼します。
3:一次判定
認定調査票の結果を基に、要介護認定基準時間の算出や状態の維持・改善可能性の評価をコンピューターによって推計します。
要介護認定基準時間は、あくまでも介護の必要性を量る「ものさし」であり、実際に受けられる介護サービスの合計時間とは連動しません。
*参考:厚生労働省『要介護認定はどのように行われるか』
4:二次判定
一次判定の結果と主治医意見書などを勘案し、介護認定審査会(保健医療福祉の学識経験者5名程度で構成)が介護の必要性の有無・程度などについて審査します。
5:認定結果の通知
原則、申請から30日以内に、認定結果を市町村から申請者へ通知します。
通知された要介護認定の結果に不服があるときは、都道府県ごとに設置されている『 介護保険審査会 』に対して不服申立を行います。
これは、要介護認定の通知を受け取った翌日から60日以内に行う必要があります。さらに、その結果が出るまでにはかなりの時間が要します。
・要介護認定の有効期間と更新
介護サービスを受ける利用者は時間の経過とともに、必要とする介護サービスが変化していきます。
そのため、要介護認定の有効期間を設けています。
《 新規・区分変更で要介護認定を受けた場合 》 | ||
申請区分等 | 原則の認定有効期間 | 認定可能な有効期間の範囲 |
新規申請 | 6カ月 | 3カ月~12カ月 |
区分変更申請 | 6カ月 | 3カ月~12カ月 |
《 更新申請の場合 》 | ||
申請区分等 | 原則の認定有効期間 | 認定可能な有効期間の範囲 |
更新前後で要介護認定が異なる | 12カ月 | 3カ月~36カ月 |
更新前後で要介護認定が同じ | 12カ月 | 3カ月~48カ月 |
上記の条件は、厚生労働省令で定める要介護認定の有効期間です。
*参照:厚生労働省『要介護認定に係る法令』
注意点は、有効期間の範囲は市町村にその裁量が委ねられていることです。
例えば……
広島県広島市の場合、厚生労働省と同様の条件で有効期間が設定されています。
奈良県香芝市の場合、要介護3~5で前回認定と同じ要介護度であれば最大48カ月の有効期間ですが、要介護1~2の有効期間は最大36カ月までです。
*参照:広島市『要介護認定に係る有効期間の取扱いの変更について』
*参照:香芝市『要介護認定に係る有効期間の見直しについて(令和4年5月より)』
このように、要介護認定をする各市町村により、有効期間の範囲内容が微妙に異なるのです。
また、認定可能な有効期間の範囲は、市町村の附属機関として設置される『 介護認定審査会 』の意見に基づき決定されます。
要介護認定は、介護サービス利用者が必要なサービスを適切に受けられるよう整備されています。
また、要介護認定の結果が出る前でも、申請を行った日以降であれば暫定的なケアプランに基づいて、介護サービスの利用ができます。
ただし、介護認定結果が非該当または想定していた介護度と異なる場合は、全額負担になったり、当初の見込みと違う自己負担になったりする可能性があるので、注意しなければいけません。
暫定的ケアプランでの介護サービスの利用は、国保連へ介護報酬を請求する介護サービス事業所も留意すべき事項ですね。
なぜなら、暫定の介護度で国保連へ請求すると、確定した介護度と異なった場合は過誤請求となるからです。この場合は、介護度が確定してから月遅れ請求をするケースが多いと思われます。
暫定的ケアプランの国保連への請求については、ケアマネジャーと相談して決めたほうが良いかもしれません。
冒頭でもお伝えした通り、弊社北日本ケアサポートは、介護事業所や障がい福祉事業所の介護報酬(介護レセプト)の請求事務を代行する会社です。
過去分の返戻がまったく処理できずにお困りの事業所からのご相談も承っております。
介護保険法上、介護サービスを提供してから2年間までしか介護保険請求ができません。過去の実績の有無が確認できるものが残っていれば、北日本ケアサポートが再請求を請け負うことが可能です。
また、過誤申請なども承っており、返金の流れなどもクライアントと打ち合わせしながら、市町村に提出します。そのため、無理なく返金することも可能です。
ぜひ、お気軽にお問い合わせください。
*重ねてお伝えしますが、弊社は、個人のお客様のご依頼はお受けしかねますことをご了承ください
《 記事原案者 》 | |
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鷲尾 和巳(わしお かずみ) → 代表ご挨拶 北日本ケアサポート 株式会社 代表取締役 / 特定非営利活動法人 はなうた 理事長 / 一般社団法人 日本介護協会 理事 / 介護事務管理士 資格保持者 |
《 記事加筆編集者 》 | |
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北日本ケアサポートスタッフ:A 介護事務管理士 資格保持者 |