【介護保険制度の基礎知識】都道府県または市町村の指定を受けることで介護報酬の9~7割を受け取れる、指定介護サービス事業者を解説

 こんにちは! 北日本ケアサポートです。
 弊社は、介護事業所や障がい福祉事業所の介護報酬(介護レセプト)の請求事務を代行する会社です。

 介護サービス事業所が介護報酬を受け取るためには、都道府県または市町村から『指定』を受けなければいけません
 今回は、その基本的な仕組みについて解説していきます。
*この内容は令和6年度現在のものです。法改正等によりサービスの統廃合・内容変更の可能性があります

指定介護サービス事業者


 介護保険制度では、介護サービス利用者は介護サービス事業者からサービスの提供を受ける、いわゆる『現物支給』で保険給付を受け取っています。
 そして、サービスを提供した介護サービス事業者は、基本的に利用者から1割・残り9割の介護報酬を市町村から受け取ります。介護サービス事業者が市町村から受け取るこの保険給付を『法定代理受領』と呼びます。

 病院へ行った際、患者は窓口で医療費の一部を支払いますよね? そして病院は、残りの医療費を国へ請求します。介護サービスも似たような仕組みです。

・介護サービス事業者の指定

 指定申請は、都道府県・市町村や提供するサービスの種別により申請手順や期日などが異なります
 例えば、北海道の場合は、事前相談→申請書の受付→指定(審査を含む)という流れです。
 しかし、東京都では『新規指定前研修』の受講が必須です。
 
 このように地域によって異なるため、各指定申請を行う前に申請先の申請手順を確認しましょう
 また、指定申請にかかわる相談から指定を受けるまで、約2~3カ月ほどかかります。余裕をもったスケジュール管理が必要です。

 では、都道府県や市町村がどの介護サービスを指定するのかを見ていきます。

都道府県・市町村が指定する介護サービス
・都道府県が指定する介護サービス事業者

居宅サービス事業者・介護予防サービス事業者

 在宅(自宅などで暮らしている状態)の利用者に対して行う介護サービスで、以下の4つに分類されます。

訪問サービス 通所サービス
短期入所サービス(ショートステイ) その他居宅サービス

 

介護保険施設

 自宅での日常生活が困難な要介護者が入所して利用するサービスで、以下の3施設があります。

介護老人福祉施設
(特別養護老人ホーム)

介護老人保健施設
*都道府県が開設を許可する
介護医療院

 

・市町村が指定する介護サービス事業者

地域密着型サービス事業者・地域密着型介護予防サービス事業者

 要介護者・要支援者が住み慣れた地域で受けられる介護サービスです。

《 要介護者が対象 》
定期巡回型・随時対応型
訪問介護看護
夜間対応型訪問介護 地域密着型通所介護
認知症対応型通所介護 小規模多機能型居宅介護 認知症対応型共同生活介護
地域密着型
特定施設入居者生活介護
地域密着型介護老人保健施設入居者生活介護 複合型サービス
(看護小規模多機能型居宅介護)
《 要支援者が対象 》
介護予防
認知症対応型通所介護
介護予防
小規模多機能型居宅介護
介護予防
認知症対応型共同生活介護

 

居宅介護支援事業者・介護予防支援事業者

 要介護者や要支援者に対し、サービス計画書の作成やモニタリングなどを行います。
 居宅介護支援事業者にはケアマネジャーが所属しており、介護予防支援事業者は地域包括支援センターが担っています。

*関連記事:介護サービスの種類とは? 介護保険で利用できるサービスについて解説

 

・みなし指定

 健康保険法の保険医療機関・保険薬局に指定された医療機関・薬局は、介護保険法による医療系サービスの事業者として指定されたものとみなされます
 また、介護保険法の介護老人保健施設・介護医療院についても、みなし指定が付く介護サービスがあります

みなし指定となるサービス
対象事業者 みなし指定
病院・診療所
(保険医療機関)
訪問看護
訪問リハビリテーション
通所リハビリテーション
居宅療養管理指導(*1)
短期入所療養介護(*2)
介護予防訪問看護
介護予防訪問リハビリテーション
介護予防通所リハビリテーション
介護予防居宅療養管理指導(*1)
介護予防短期入所療養介護(*2)
薬局(保険薬局) 居宅療養管理指導
介護予防居宅療養管理指導
介護老人保健施設
介護医療院
訪問リハビリテーション
通所リハビリテーション
短期入所療養介護
介護予防訪問リハビリテーション
介護予防通所リハビリテーション
介護予防短期入所療養介護
*1:歯科(保険医療機関)が行う実施可能サービスは、(介護予防)居宅療養管理指導のみ
*2:療養病床を有する病院・診療所に限る

 ただし、これらの事業者が当該介護サービスを実施する場合『介護給付費に係る体制等に関する届出』などの提出が必要です。
 つまりは、介護報酬を得るために、介護保険法に基づく各指定権者が定めた人員、設備および運用に関する基準を満たさなければならないのです。

 また令和6年度の介護報酬改定により『高齢者虐待防止措置実施の有無』および『業務継続計画策定の有無』の届出がない場合、自動的に「1:減算型」とみなされる介護サービスがあります。

*関連記事:2024年度介護報酬改定で新設『高齢者虐待防止措置未実施減算』とは?
*関連記事:2024年度介護報酬改定で新設『業務継続計画未策定減算』とは?

介護報酬を得るための準備

 

 介護サービスと医療サービスは密接な関係にあります。
 上記で説明した通り、指定を申請せずとも『みなし指定』となる事業者があります。
 実際、弊社北日本ケアサポートのクライアントにも『居宅療養管理指導』の介護サービスを行っている病院がありました。
 ですが、提供した介護サービスの介護報酬を得るためには、体制等に関する届出はもちろん、加算を算定する場合事前の届出が必要です。
 通常の指定介護サービスの申請も、人員基準・設備基準・運営基準の審査があり、細かくチェックされます。

 北日本ケアサポートは、介護事業所や障がい福祉事業所の介護報酬(介護レセプト)の請求事務を代行する会社です。ですが、各加算・減算に関する変更届書の作成も行っております。
 また、実際に介護事業所を運営しておりますので、その経験に基づいた事業そのもののコンサルティングなど多岐に渡りお客様をサポートしております。ぜひ、お気軽にお問い合わせください。

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《 記事原案者 》
鷲尾 和巳 鷲尾 和巳(わしお かずみ) → 代表ご挨拶
北日本ケアサポート 株式会社 代表取締役 / 特定非営利活動法人 はなうた 理事長 / 一般社団法人 日本介護協会 理事 / 介護事務管理士 資格保持者
 
《 記事加筆編集者 》
北日本ケアサポートスタッフ 北日本ケアサポートスタッフ:A
介護事務管理士 資格保持者