他事業所の失敗から学ぶ。就労継続支援B型の運営を成功させるヒント

 こんにちは! 北日本ケアサポートです。

 今回は、就労継続支援B型を運営するにあたり、実際に起こった失敗例を数回に渡ってご紹介します。まずは『 立地と送迎 』についてです。

 私、鷲尾が代表を務める法人では、2カ所の就労継続支援B型事業所を運営しております。
 現在、どちらの就労継続支援B型事業所も定員20名の上限まで達しており、定員40名の変更をしている最中です。
 このように利用者の定員を増やせたことは、失敗から原因を追究し、その対策を講じる……の繰り返しをした結果だと思っております。

 もちろん、各事業所によって運営失敗の原因や対策は異なってきますが、他事業所の失敗と対策方法を知ることで知見を深めるきっかけになれば幸いです。
*本記事内では「障害」の文字が混在しますが、法令または行政サイトの表記をそのまま使っております

就労継続支援B型 立地と送迎メリットデメリット

・事業所の立地 駅前+送迎はNG!

 利用者にとって、駅前にある就労継続支援事業所はとても通いやすい場所にありますよね。
 事業所を開業する際も、利用者の集まりやすさを意識して準備をすると思います。そこでパッと思いつくのは『 駅前 』という立地ではないでしょうか?
 事実、駅前には就労継続支援事業所が乱立しています。

 私が代表を務める就労継続支援B型事業所も、駅前にあります。そして、かつては送迎もしておりました。
 実は、この『 駅前にありながら、送迎もしている事業所 』最もダメなパターンです(苦笑)

 では、なぜダメなのでしょうか?

理由:コストが掛かりすぎる

 多くの事業所は、賃貸で物件を調達するはずです。駅前の物件を借り、送迎もするとどのようなことが起こるか、簡潔に書いていきます。

駅前の物件は、郊外の物件よりも家賃が高額
送迎に係る費用:車両・駐車場・運転手・車両保険・ガソリン代などの維持費が発生

 このことから、駅前の物件を借りたうえで送迎もする=高額な家賃+送迎維持費となり、固定費が倍増します。

 通所手段が駅と送迎の2つの選択肢があるため、いくぶん利用者が集まりやすい環境になるかもしれません。
 しかし、利用者が増えれば増えた分だけ送迎コストなども上昇し、利用者が増えても利益が出にくいという構造になりやすいのです。

・駅前の立地で、送迎をやめるとどうなる?

 以下は、実際に私が代表を務める就労継続支援B型の事業所で起こったことです。

固定費が大幅に下がる

 交通機関などを使って利用者自身で通うことになるため、他事業所に移籍した方もいましたが、送迎分の固定費が無くなり経費削減につながりました。
 それだけではなく、どのように送迎を組むかなどの議論や考える時間が消え、現場スタッフが本来すべき仕事に集中できることにもつながります。

送迎に関する揉めごとが減る

「火のない所に煙は立たぬ」という言葉通り、送迎がなければ、それに関する揉めごとは起こりません。
 私の就労継続支援B型の事業所で送迎していた当時は、全員とは言いませんが、送迎を希望する利用者との揉めごとが多かったように感じました。

 例えば……
Aさんと一緒の送迎にしてほしくない」
「帰りに病院へ行きたいから、経路を変更してほしい」            
「朝ではなく、昼からの出勤にしてほしい」……etc

 就労継続支援B型の最低定員は20名です。もし、この20名全員の要望に応えていたら、送迎そのものがパンクしてしまいます。

・事業所の立地は慎重に

 そもそも論ですが、就労継続支援事業所の場所は簡単に移転できません
 理由は簡単。就労継続支援B型サービスを提供するために必要な『 設備基準 』が定められているからです。
 もし移転する場合、移転先がその基準に見合う設備であるという変更届を提出しなくてはいけません。
 時間と労力、そしてお金がかかるため、就労継続支援事業所の場所慎重に考えて決定すべきです。

 そのうえで、駅前に就労継続支援事業所を構えるなら、送迎をやめて、自分で通える利用者のみ通所していただくことにします。
 逆に、郊外に就労継続支援事業所を構えるなら、送迎して利用者を集めます。

 このように、割り切って利用者を獲得していくほうが利益は間違いなく出るでしょう。


就労継続支援B型 コンサルティング

 いかがでしたか?
 就労継続支援事業所の開業を考えている方は、どのような立地で事業所を構えれば良いかの参考になったかと思います。
 また、駅前で就労継続支援事業所を運営している方で、送迎の手配に頭を抱えている場合は、送迎を無くすためにはどうしたら良いかを、私の経験を基に考えていただけると幸いです。

 弊社北日本ケアサポートは、介護事業所や障がい福祉事業所の介護報酬(介護レセプト)の請求事務を代行する会社です。
 冒頭でもお伝えしましたが、実際に弊社のグループ関連会社『特定非営利活動法人はなうた』で、就労継続支援事業所『れのあ』を運営しております。
 その経験を基に然るべき対策についてのコンサルティングなど、事業の成長を幅広くサポートしております。ぜひお気軽にお問い合わせください。

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《 記事原案者 》
鷲尾 和巳 鷲尾 和巳(わしお かずみ) → 代表ご挨拶
北日本ケアサポート 株式会社 代表取締役 / 特定非営利活動法人 はなうた 理事長 / 一般社団法人 日本介護協会 理事 / 介護事務管理士 資格保持者
 
《 記事加筆編集者 》
北日本ケアサポートスタッフ 北日本ケアサポートスタッフ:A
介護事務管理士 資格保持者