他事業所と同じサービス提供で満足せずに、サービスのコンセプトを考えることが重要です。
画一的になりがちなサービス
介護事業は許認可事業です。
人員配置基準や運営規定など、認可を受ける際の基準は統一されていますし、サービスの提供にも基準が存在します。
そうなると利用者はどのサービスも同じように感じます。
それでは競争は生まれず、結局は資本力のある法人や地域で歴史のある法人以外は事業継続が難しくなってしまいます。
一方で、利用者側から見れば、けっしれ現状の介護サービスだけで満足しているとは言い切れない状況です。
このためコンセプトを熟慮する必要があります。
サービスのコンセプトの作り方
まず次について考えてみましょう。
・地域で必要とされているのに、不十分なものは?
・利用者や利用者の家族のため、地域に貢献するため、自社の職員が共感して行えることは何か
本来、コンセプトは構築するものではなく、自然に生み出されることが理想です。
しかし、これだけ介護サービスを提供する法人が増えた以上、自社のリソースを生かした、差別化できるコンセプトをしっかり考えることが求められます。
①自社に合っているか?
まず、コンセプトを考える際に重要なのは、自社の理念と合うかを確認する作業です。
何のためのコンセプトなのか。それは利用者満足と職員満足につながっているのか。
自社が安定した経営を行えるのか。
そのコンセプトに自分たちが共感し、無理なく、楽しく取り組むことができるか。
これらをしっかり確認します。
②地域性に合っているか?
「競争が激しいので、新しいサービスを提供したい。
他で成功しているサービスが同地域にないので導入しよう」というケースがあります。
しかし、地域によってニーズの違いがあり、そう単純ではありません。
例えば、都市部で温泉付きの施設が人気を集めて高稼働率(高入居率)になっているからといって、温泉地で同様のサービスを行うのはどうでしょう。
地域にとって何が必要か?
それを解決するためのサービスでなければ、ニーズに沿ったコンセプトになりません。
③法令を遵守しているか?
介護保険事業を行う上で、法令順守は絶対です。
地域のニーズがあるからと言って介護保険事業の枠から漏れたサービス提供は違反になります。
そこで、自費サービスとして行うことにしたとしても、行政の判断などを仰ぐことは必要です。
④他社との差別化になっているか?
せっかく構築したコンセプトであっても、それが他社と差別化できていなければ、集客等の結果に結びつけることは難しくなります。
コンセプトを構築する際に、競合他社の同行にも着目することが重要です。