低所得者への介護保険料軽減と、居宅介護支援におけるケアマネジャーの役割・要件の変化
2018年度の介護保険制度改正では、低所得の高齢者に対する介護保険料の軽減措置がさらに進められました。
また、居宅介護支援についても、ケアマネジャーの研修体系や事業所の運営要件などが変更されています。
ここでは、2018年度の制度改正を中心に、低所得者の介護保険料負担と居宅介護支援にどのような変化があったのかを解説します。

・低所得者の保険料負担は何が変わった?
2018年度には、低所得の高齢者を対象とした介護保険料の軽減措置が強化されました。
第1号被保険者のうち、第1段階から第3段階に該当する人の保険料が引き下げられています。
低所得高齢者の保険料の軽減措置が強化
2018年度には、2015年度に一部実施されていた低所得の高齢者の保険料についての軽減措置がさらに進められることとなりました。
そもそも、65歳以上の第1号被保険者の介護保険料は、収入や課税状況などに応じた段階によって設定されています。
2018年度には、9段階に区分されている第1号被保険者のうち、世帯全員が市町村民税非課税に該当する第1段階から第3段階に該当する低所得者について、介護保険の第1号保険料が引き下げられました。
介護保険料引き下げの対象者は、第1段階650万人、第2段階240万人、第3段階240万人を合わせて1130万人であり、これは65歳以上全体の約3割に相当します。
第1~3段階で引き下げ幅が異なる
各段階に該当する第1号被保険者の介護保険料は、基準額に割合を掛けることで算出されます。つまり割合が低いほど保険料が安いということになります。
2015年度には、第1段階の割合は0.5から0.45に引き下げられました。
そして2018年度には、第1段階の割合が0.45から0.3に、第2段階の割合が0.75から0.5に、第3段階の割合が0.75から0.7に引き下げられました。
なお、第1段階から第3段階では世帯全員が市町村民税非課税、第4段階と第5段階では本人は非課税なものの世帯の誰かが課税者、第6段階以上では本人が市町村民税課税者となっています。

・居宅介護支援は何が変わった?
居宅介護支援については、ケアマネジャーの研修制度や居宅介護支援事業所の運営要件などが変更されました。
2018年度の改正では、医療機関との連携なども重視され、ケアマネジャーに求められる役割も広がっています。
ケアマネの研修体系が変更され、求められる役割が増えた
2016年度から、ケアマネジャー(介護支援専門員)の研修制度が変更されました。
任意の研修となっていた介護支援専門員実務従事者基礎研修が介護支援専門員実務研修に統合され、専門研修も拡充されました。
また主任ケアマネジャーについては更新制が導入され、研修の履修が義務付けられています。
研修制度変更の背景には、地域包括ケアシステム構築に向けて、医療職をはじめとする多職種と連携・協働しながらのケアマネジメントがケアマネジャーに求められていることがあります。
実際、2018年度の改正には、医療機関との連携やターミナルケアの取り組みを評価する加算、口腔や服薬の状態に関する情報伝達の義務が盛り込まれています。
居宅介護支援の要件が厳しくなり、適正化が進められた
居宅介護支援事業所についても、管理者の要件が主任ケアマネジャーに変更されました(3年間の経過措置期間あり)
またケアマネジャーは「複数のサービス事業所を紹介できる」「当該事業所を指定した理由を聞ける」ことを説明するように義務付けられ、これに違反した場合には報酬が減額されます(運営基準減算=所定単位数の50/100に相当する単位数)
なお、厚生労働省は、ケアマネジメント評価、ケアマネジメント適正化推進WG、ケアマネジメント自己評価研修、ケアマネジメント評価研修などを実施することで(ケアマネジメント適正化推進事業)、過剰なサービス提供を防止しようとしています。







