市町村が担う地域包括ケアシステムの構築と、介護・医療連携の課題
地域包括ケアシステムの構築では、市町村が中心となって地域の課題を把握し、必要なサービスや支援体制を整えていくことが求められます。
一方で、介護と医療の連携や認知症への対応など、地域包括ケアの実現にはさまざまな課題もあります。
ここでは、2019年時点における市町村の役割と地域包括ケアの課題について見ていきます。
・地域包括ケア構築における市町村の役割
地域包括ケアシステムの構築では、市町村が中心的な役割を担います。
地域の課題や社会資源を把握し、関係機関と連携しながら、地域の実情に応じた取り組みを進めることが求められています。
地域の課題に応じた支援体制の構築
市町村は、日常生活圏域ニーズ調査などにより地域の課題を把握し、対応策を検討します。
そのうえで、地域リーダーやボランティアといった社会資源を発掘し、関係施設と調整しながら具体策を進めます。
こうした取り組みは、介護保険事業計画に盛り込まれ、地域ケア会議とも共有されます。
地域の課題を把握し、対応策を検討・実施することで、地域の実情に応じた地域包括ケアシステムの構築を進めていきます。
生活支援コーディネーターや協議体への支援
2015年度の制度改正から、地域包括ケアシステム構築における地域支援事業の役割が強化されました。
具体的には、介護予防・日常生活支援総合事業では、住民主体の多様なサービスの充実による介護予防や生活支援など、生活支援・介護予防の基盤整備に向けた取り組みを行っています。
このように、市町村には生活支援コーディネーターや協議体を支援する役割も求められています。
協議体とは、地域の関係者が集まり、地域の課題や必要な生活支援について話し合う場のことを指します。

・地域包括ケアシステムの実現に向けた課題
地域包括ケアシステムを実現するためには、介護や医療、福祉などの関係機関が連携し、地域の実情に応じた支援体制を整えることが重要です。
一方で、介護と医療の連携や、増え続ける認知症高齢者への対応など、さまざまな課題があります。
介護と医療の連携
地域包括ケアシステムの実現における大きな課題の一つが、「介護と医療」の連携です。
そもそも地域包括ケアシステムは、高齢者に対して医療・介護・福祉など様々な職種のスタッフが連携しながらサービスを提供することが前提となっています。
しかし、制度の違いや意識の隔たり、情報共有環境の未整備などのため、関係構築が進んでいる地域はあまりありません。
そのため、2018年度の制度改正では、リハビリテーションや居宅介護支援、中重度要介護者や認知症患者への対応などにおいて、医療と介護の連携強化が図られています。
認知症への対策
認知症の原因は、6割がアルツハイマー型、3割が脳血管型と言われています。
認知症高齢者の正確な数は、家族が表沙汰にしないことなどからわかりませんが、2015年時点で500万人強、2025年時点には700万人弱に近づくとの調査結果もあります。
これは、65歳以上の5人に1人が認知症になる計算です。
そのため厚生労働省は、地域包括ケアセンターにおける相談窓口の設置、認知症地域推進員の配置などによる認知症施策総合推進事業の実施を積極的に進めているのです。







