利用者と家族のニーズから考える地域包括ケアと地域ケア会議
介護サービスでは、利用者本人や家族がどのような暮らしや支援を望んでいるのかを踏まえることが重要です。
ここでは、利用者と家族の介護に対する希望を確認したうえで、住み慣れた地域で暮らし続けるための地域包括ケアシステムと地域ケア会議について見ていきます。
・利用者や家族はどのような介護を望んでいる?
介護保険制度では、利用者のニーズなどを受けて、新たなサービスが創設されますが、では利用者本人あるいはその家族は何を望んでいるのでしょう。
本人と家族では介護に対する希望が異なる
厚生労働省が行ったアンケート調査によれば、以下のように利用者本人の希望と家族の希望は若干異なっている場合が多いようです。
| 本人 | 家族に依存せずに自宅で外部の介護サービスを受けたい |
| 家族 | 家族と外部の介護サービスを組み合わせて受けさせたい |
また利用者本人のほうが、有料老人ホームでの介護を望む割合も高くなっています。
これは、家族に迷惑を掛けたくないという気持ちからなのでしょう。

・住み慣れた地域で自立して生活するには何が必要?
日本では、要介護高齢者の介護を施設のサービスに頼る傾向が強くなっています。
介護施設は24時間必要な介護サービスを受けられるなど、居宅よりも手厚い体制が整っています。
しかし、それが必ずしも利用者の望む暮らしにつながるわけではありません。
そこで重要になるのが、住み慣れた地域で暮らし続けられるための地域包括ケアシステムです。
地域包括ケアシステムによる支援体制が必要
介護が必要な高齢者が住み慣れた地域で最後まで住み続けられるようにするため、国が構築を急いでいるのが地域包括ケアシステムです。
地域包括ケアシステムでは、以下の5つのサービスが一体的に受けられます。
| 医療 | 介護 | 介護予防 | 生活支援 | 住まい |
国は、約800万人の団塊の世代が75歳になる2025年までに、市町村主体で地域の実情に合わせた地域包括ケアシステムを構築したいと考えています。
そしてそのためには
| ・自助=高齢者自らができることを行う ・互助=ボランティアや近所の人などに助けてもらう ・共助=介護保険や医療保険サービスを利用する ・公助=社会福祉制度を利用する |
これらを組み合わせることが必要になるのです。
地域ケア会議で地域の課題を検討する
2012年に導入され、2015年度に設置・運営が義務化された地域ケア会議は、地域包括ケアシステムの構築のために地域の課題と資源を把握し、実情を踏まえた解決手段を導き出すための会議です。
会議には、介護・福祉・医療など、さまざまな分野の関係者が参加します。主に、次の5つの内容について検討します。
| ①個別課題の解決 | ケアプランの検討やケアマネジャーへの助言など |
| ②ネットワークの構築 | 地域の関係者同士の連携を促進 |
| ③地域課題の把握 | 地域にどのような課題があるのかを把握 |
| ④地域づくり・資源開発 | 関係機関の役割分担や地域ボランティアの活用など |
| ⑤政策形成 | 地域に必要なサービスの開発や、国・都道府県への提案など |
このうち、①個別課題の解決と②ネットワークの構築は「地域ケア個別会議」、③地域課題の把握、④地域づくり・資源開発、⑤政策形成は「地域ケア推進会議」で検討されます。






